上馬店のタニです。
先日の続き、ポートランドオレゴンで作られるパーツメイカー「SHOVEL RESEARCH」の続編です。好きなモノのブログは長くなりますが、このフェチをくすぐられて好きになってくれる人が少しでもいてくれたら幸いです。
まずは前回書ききれなかったパーツのご紹介、その後にデザイナーのSalさんへのインタビューを織り交ぜてお送りします。
・・・
はてさて、これはどんな用途のパーツでしょう?

これだけでわかった方はすごい。
名前がヒント、「Rod Steward Bag Support」と言います。

この通り、Fabio’s Chestに代表される、昨今のバイクパッキングの象徴「デカハンドルバッグ」のために作られた、最小限の重量とデザインの超ミニマルバッグサポーター。
Fabioユーザーは歓喜ですし、我々日本人の体格だとバッグとフロントタイヤのクリアランス問題は由々しきなり。
こういう”ラックレス”ランドナースタイルのバイクが真骨頂でしょうか。この最小限の美しさよ。
バッグは最近だとHUNGRYのSmorgusbord、SWIFTのZeitgeistやFAIRWEATHERのhandlebar bag ADVにもバッチリかと思います。
この「ラック未満」とも言えるデザイン、ちょうど一周がお取り付け依頼をいただいてたので写真を撮りました。

被験者はお客様のROMANCEUR、バッグはFABIOのようです。たしかにこのままではタイヤとバッグのクリアランスが無いので・・

これでバッチリ。佇まいもよし。
フォークのダボ穴を使ってそのバイクとバッグに合う塩梅で取り付けます。ブリッジセンターの削り出しのロゴ刻印が格好いい。そして何よりラック・キャリアより軽くてシンプルなのが良い。
そしてそして、個人的に刺さった用途がこちら。RADAVIST主宰のジョン=プローリーのRivendellにて、

うわ、リアで使ってるやん。
大好きなSACKVILLEのサドルバッグ、これは予測してなかった用途でとっても気に入ってしまった。

僕はこのsaddlesackを全部のバイクにつけたいくらいの中毒者なので⇩

(ほら依存しまくっている)

特に32Rなどの重たいラックを外すチャンス。今まではこれらサドルバッグ使うためにR-14の独壇場だったけど新しい選択肢がとっても嬉しい。多くの方の愛車をもっと良くできる可能性を帯びたプロダクトですね。
では第2問。これは何のパーツかわかりますでしょうか?

正解は「light mount」。
SHOVELらしい美しい質感とアルマイト。ロッドに固定する軸とランプを固定する軸を同一にしたシンプルで合理的なデザイン。

上記のRod steward bag supportに取り付ければ、
バッグが光線を邪魔しないところにライトを仕込むことができます。大きなハンドルバッグに毎度付いて回るライト問題もこれで解決。
ダイナモじゃない人はPAULのGINOと合体させてバッテリーライトを付けるのもアリですね⇩

そして、さらに痒いところに手が届いてさすが、と思ったのは・・

このライトマウント、我らが日東ラックに対応するサイズも作ってくれてるところ!

こりゃたまらんですね、ブログの執筆途中ですが自分のバイクに付けました。マイバイクにShovelチャンスを見つけたとき嬉しい。

うむ、めちゃくちゃ満足。M-1ユーザーの皆さんぜひに。
・・・
どの製品も、パッケージ、そして写真に至るまで、狂気にも似た高い美意識と丁寧が詰まったSHOVEL RESEARCH、あなたの愛車に差し込めるモノはあったでしょうか?
ーーーここから余談ーーー
モノを知るには作り手から、このデザイナーのSalさんの突き抜けた世界観に興味を持ってしまったので、色々質問をしてみました。皆さんも製品だけでなく、それを作るヒトごと好きになってもらえたら嬉しいです。
まずは有名なあの写真の答え合わせから。

・あなたのこの写真は日本でとても有名で、日本のRivendellライダーの中であなたの製品は大変人気があります。このライドにまつわるエピソードや逸話はありますか?グラントさんはあなたにとってどんな人ですか?
-この写真は恐らく2019年末か2020年初めに、グラントが制作していた製品カタログのために行ったライドのうちの1つです。ウィルとグラントはどちらも写真の才能があり、フィルム写真に焦点を当てたライドを一緒にたくさんできたのは本当に楽しかった。
-Susieの超ロングチェーンステーのおかげで、あの岩だらけの下り坂がいかに楽に感じられたかを覚えています。あのバイクはシェルリッジで本当に真価を発揮します!
-グラントはとても寛大で、自分の意見を持つこと、ビジネスをすること、そして人生全般を楽しむことについて、直接的にも間接的にも多くを教えてくれました。彼は物事を心から楽しむのがとても上手で、私もその影響を受けていると思います。

・あなたのことをUltra Romanceを通して知りました。Ultra Romance、CRUST、Rivendellの皆との思い出深いエピソードがあれば、ぜひ教えてください。
-RonnyとAryaに出会ったのは2017年の初め、当時住んでいたサンディエゴに二人が来た時に、車で「Goat Canyon Trestles(ゴート・キャニオン・トレッスル)」まで案内し、砂漠地帯にあるとても長いトンネルを抜ける、素晴らしいライドを楽しみました。それ以来、私たちは親しい友人として、数え切れないほどの旅を共にしてきました。
Crust Bikesは初期の頃からのファンで、Cheech本人と初めて会ったのは、2019年、オレゴン、ポートランド近郊で開催された第2回「WTF Bike Explorers Summit」の直前だったと記憶しています。
2018年にサンフランシスコへ引っ越した時、「Sam Hillborne」をとても格安で譲ってもらいました。おそらく、私がサンディエゴでJoe Bellと一緒に仕事をしていたことをGrantが知っていたからだと思います。
それ以来、Rivendellのショップによく顔を出すようになり、週末にはGrantやその仲間たちとのライドに何度も参加させてもらいました。あの辺りのライド環境は本当に最高で、Willも最高にクールだと思います。本当に素敵な時間を過ごすことができました。

・現在お持ちの愛車達について教えてください!
現在は、Chapman Cycles製の650bランドナー(!)に加え、Bridgestone MB-2、Rivendell Hillborneを所有しています。Hillborneは最近バラしてしまっていて、Bridgestone CB-0に載せ替えビルドする予定で、その乗り味を比較してみようとしているところです。さらに、私自身が製作したフレームやフォークも数本手元にあります。

・所有しているバイクの中で、一番のお気に入りはどれですか?(決められないかもしれないけど!)
-「Chapman」は間違いなく一番のお気に入りです。3年以上待ったかいがあり、完璧な仕上がりです。市販のドロップハンドルバイクはどれも微妙にフィットしないため、自分のためだけに作られたハンドメイド、カスタムバイクを持てるというのは、本当に素晴らしいことです。
ビルダーのブライアンの職人技は卓越しています。フレーム、フォーク、ステム、ブレーキ、そしてラックに至るまで、すべて自ら製作してくれました。

・次に乗りたいバイクはありますか?もしあるなら、それはどのようなバイクですか?
-今年はTom La Marche に自転車を組んでもらうことになっています。今から完成が待ちきれません!まだ彼に詳細を伝えたわけではありませんが、おそらく今回もまた、650bリムブレーキ仕様のロードバイクになると思います。このバイクを作る狙いは、近いうちに始める予定の様々な新製品を試作するための「プラットフォーム」として、活用することにあります。

(彼女が作ったハンドメイドバイク)
・Shovel Researchを始める前は何をされていましたか?
-Shovel Researchを立ち上げたのは、2022年の暮れのことでした。2022年初旬、ある小さな機械加工工場で働き始め、CNCマシーンの操作に携わるようになっていました。それ以前の10年以上にわたり、自転車一筋に打ち込み、その世界にどっぷりと浸かってきました。これまでの職歴としては、美術品の海外輸送に向けた梱包作業(アートハンドリング)、自転車メカニック、そして製造業での実務経験があります。
・自転車に初めて出会ったのはいつですか?何がきっかけで興味を持ったのでしょうか?
-子供の頃に自転車に乗っていましたが、大学に入ってからその楽しさを再発見しました。大学4年生の時に知人からSchwinnの「Le Tour」を借りたのですが、その頃から、車の少ない素敵な道やトレイルを探して走るという、「純粋に楽しむためのサイクリング」を始めました。自転車のパーツやメカニズムにはまだ何の興味も無く、ただ走ることそのものを楽しむ、約1年という短い期間でした。今振り返ると、とても懐かしいです。ちなみに、その自転車はめちゃめちゃ大きすぎるサイズでした(笑)。

・あなたの住んでいる街のことを教えてください!
-オレゴン、ポートランドの北東部に住んでいます。自転車で用事を済ませたり通勤したりするのにとても良い場所で、近くにはちょっとしたMTBのトレイルもあります。ちょうど郊外と都心の中間エリアに位置していて、大通りに出ることなく5〜7マイル(約8〜11km)ほどのウォーキングを楽しむこともでる、というとてもありがたい環境の中にいます。

・リムブレーキを中心とした製品を多く展開されているのは、何か特別な理由があるのでしょうか?僕らもリムブレーキが大好きです!
-実際に愛用しているのもrim brake自転車で、強いこだわりを持っています。業界の大勢がすでに別の方向へと軸足を移している中、リムブレーキ車が可能な限り長く存続し続けられるよう尽力することに、ある種の責任感と情熱を抱いています。
(これもPAULに通じる、とっても共感できるところ!)

・あなたの製品には、箱やパッケージに至るまで大切に扱いたくなるような、独特の魅力があります。これは意図されたことですか?そこにはどのような想いが込められていますか?
-そう言っていただけて、とても嬉しいです!おそらくそれは、一つの製品が完成に至るまでの全ての工程、決断にとてつもない細心の注意とこだわりを注いでいるか、というところからきているのだと思います。梱包材に関しては、プラスチックの使用を避けるため、とても慎重に素材を選んでいます(3Dプリントされた生分解性PLAが最善の選択肢と思われる、ごく微量な場合を除き)。また、不必要なものは一切加えないよう心がけています。そうした梱包へのこだわりを皆に評価していただけて、本当に嬉しく思います。梱包は、常に改善と簡素化を目指して取り組んでいる分野の一つでもあり、これからも、新たな作品づくりに励んでいくのが楽しみでなりません!


(整然、これもデザインやパッケージに、彼女のモノ作りに通じてると思う)
・最後に、日本の自転車乗りの皆にメッセージをお願いします。
-たくさんのサポートに感謝しきれません。これほどたくさんの素敵なバイクに、私のパーツを使ってもらえるなんてとても幸せなことです。いつか日本でみんなに会える日を楽しみにしています!!
・・・・・・
SHOVEL RESEARCH、気に入っていただけましたでしょうか?僕はすっかりファンになってしまいました。
オレゴンで丁寧に作られるパーツ達、日本で格好いいバイクに付けているところを彼女に見せてびっくりさせたい。お取り付けは各店メカニックまでお気軽にご相談ください。
最後まで読んでくれた方ありがとうございます。タニでした。