この時を待っていた。

でも緊張と不安からか書き出す言葉に迷いが多くて、

下書きもしたけどしっくり来ないから出たとこ勝負の気分でこれを殴り書いています。

新しく仲間入りしたけど、なんか昔から居たような気もする、そんなバイクのご紹介。

もう一度、初めまして。

「TIE」

“タイ”

と言います。

ある男の想像とか希望とか記憶とか情熱とかが妄想になり、

その妄想がそいつなりにロジカルな考えで再構築されて、

静かな衝突や失敗や不慮を経ながらも、

一つの可能性だと信じて疑わずに全力の愛を込めた形として生むことができた。

そんなただの自転車フレームです。

ある男とは私の事。

自転車に人生を狂わされたと言っても良いくらい、僕は楽しいの惰性に身を任せてここまで来てしまったなとつくづく思います。

いつか何者かになりたかった自分は、その楽しいを自分のペースで追い続ける事で、

今こうして一つの自転車をデザインする者になれました。

駆け出しの自転車好きだった自分が、遠くに夢見た姿です。

そんな駆け出しの自転車好きだった頃から今までの20年、僕はほぼ東京という街で生活をし、

周りや自己の変化を感じながら日々を生きて、色々な自転車カルチャーに流されるまま身を置いた日々を思い返した時、

様々なブームはあったにせよ、結局この街の自転車文化はカオスで、僕はその渦中にずっと居るんだなと思う時がありました。

それはある種、どっちつかずで芯のない、スケーターの友人が言う「POSER 」で、

やり切っている奴ほど一番カッコいいとずっと思っていた自分にとって、自らがその「POSER」のように、

少し後ろめたさを感じる人間像になっているように感じました。

言い訳とか、諦めとかの類ではない納得をするのに時間が掛かりましたが、

でも、もしも、そのカオスでPOSERな事を一つの形として昇華できたなら、

成長しながら自我を芽生えさせていく子供のように、

それはまた、一つの始まりになるかもしれないと、自分の中で腑に落ちた事からこのプロジェクトは始まりました。

ロゴの「TIE」は、そんな0が1になる事が意味を持つかもしれない、発見と期待を表しています。

目指したのは、このバイクが僕なりの「TOKYOのBIKE」になる事。

ブースト気味で息づいている街々を駆け抜ける事は必要不可欠で、

その為に必要かもと思う個性や設計を意識しています。でも、

都会だけで生きる事は飽きそうになる、と言う表現は角が立ちそうですが、

都会に寄り添う少しばかりの非日常を味見したり、

急ぎ足にならないスタイルもこのバイクに盛り込む事は出来ないものかと、

微調整と日常の助けになりそうなギミックと履き替えれる個性を追加して、

前述した僕の想うカオスな東京は、この多様に表現出来るであろう、一本のフレームに纏める事が出来ました。

アスファルトの上で思いっきり滑って痛い目をみる事だって、

草の上で転げ回ってバカ笑いしながらだんだん痛くなる肋骨だって、

そんなちょっとトラウマ級な事を乗り越えて自転車がより楽しくなる事だってある。

道路も土の上も、

一先ず気楽に自分の好きを発見してほしい、多分出来ると信じてる、

そんな気持ちがこもったシングルギアバイクのフレームです。

忘れてた。実用的ではないけどふとした時に運命的な力を発揮するかもしれない「愛嬌」も入れてあります。

君の自転車人生に華やかさが舞い降りますように。

ここまでガッチガチの自分語り気味な話をしていきなりセールストークを始めるのは粋じゃないなと思う自分がいるし、

スペックや用途を気にして選ぶことに不感症になるくらいモノと情報が溢れているこの世界だから、

今だからこそ、最初だからあえて、写真だけでこんなノリのバイクだと知ってもらいたい。

直感的に、あ、やべえ欲しいかもって思う人にこそ届くように。

流石にあんたそれは…って方はこちらを参照頂けたら。

来週の11月30日(日)から4店舗で発売開始。

でもフライングでその前日の29日(土)に、

我らが深大寺倉庫で行われるこのイベント内で、ブース出展しながら先行発売をします。

ある意味直売所。テントに僕一人。

なんかエモ味強めのブログ書いてたら書きづらくなっちゃった細かいディテールの事とかは、

こんなちょっと特別な時だからこそ、より熱を込めてお話しちゃうと思うのでそれに耐えれそうな方は来てください。

この日ばかりは少し都心から離れた街並みと、不自然な自然で試乗する事が出来ます。

店舗じゃ出来ないそんな体験したい方も是非。

 

それでは。