こんにちは。
上馬店より一周です。
弊社youtubeチャンネルにてつい先日アップのこちらは見て頂きましたでしょうか?
BlackMountainCycles ROAD、1台組み立ての模様をBuilt by Bluelugシリーズにて。
そこそこ長いのでお時間ある時に見て頂けたら嬉しいです。(○回も見ました!なんて仰って頂ける方も居て感謝の極み!)
前回の同ブランドMod Zeroビルドから1年半空けての今作、個人的見どころは後半の前後ダイナモライトとHONJOのアルミフェンダーでしょうか。
本所さんのフェンダーは取り付け工程数こそ多く大変ではありますがそれすなわちタイヤとフレームに合わせてカスタムできる箇所が多い=美麗に取り付けが可能という。
動画外での細かなところの工作もいくつかあるので何処に拘っているのか分かりづらくもあるのですが、神は細部になんちゃらと言うだけありそんな細かいところも合わせて注視して頂けたら嬉しいです。
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本日都内は最高気温37度(!)の猛暑日だったそうで、気持ちの良い汗をかきながらしっかり自転車を漕いで店頭にいらっしゃる方たちに頭が上がりません。(いつもありがとうございます)
お客様ほどではありませんが、冷房の効いたメカニックピット内でいざ作業をはじめたらば僕らメカニックもじんわりと。。。
そんなホットな本日ですが気候同様ホットなバイクチェックをお送りしたいなと。
前述の動画ではマイROAD組み立ての模様を撮影したのですが、マイカスタマーROADもようやっとオーナーさまの手に渡りました。
ROAD (53)
店頭でもジワジワと反響頂いていますこのROAD。
“一般的なロードバイク”の世界では日の目を浴びてこなかった”ミディアムリーチ”キャリパーブレーキのロードバイクです。
マイカスタマーバイクとしては記念すべき1台目の今オーナー。発売日初日に熱意ぶつけて頂いたのが非常に嬉しく。
全体的にパーツは前バイクからの載せ替え。前キャリパーロードバイクのフィットしていなかったところだという、
①細いタイヤ②硬い乗り心地③ストイックな前傾姿勢前提なつくり。
この3点をクリアしてくれるのがこのバイクの存在でした。
(それまでビッグメーカーでのフレームデザインに長らく身を置いていたMikeさんが手がける筋骨隆々なブランドバックボーンに惹かれたのは言うまでもなく)
現代となっては非常に珍しいクラシックでシンプルな”リムブレーキのロードバイク”という存在。
ディスクブレーキのメカメカしいロードバイクがスタンダードになっている昨今において、そもそも選択肢のあまりないジャンルではあるのですがそんな存在だからこそ現代に復刻して頂いた価値は大きいです。
僕らが思う原体験的な格好良さ、そして乗って良さを体感するこのバイク。
このニッチなジャンルをたらしめる要素といえばやはりこのブレーキとタイヤ、
クラシックでシンプルな出立ちのキャリパーブレーキながら35mm幅のタイヤを飲み込んでくれるのは脚の少し長い”ミディアムリーチ”のキャリパーブレーキだからこそ。
タイヤはわりかし最近にモデルチェンジされて30mm、35mmというこのROADにちょうど良いサイズ帯が用意されているPanaracerのグラベルキング。
日常使いとあらば同モデルの少しだけ未舗装も意識したSSをお使い頂くことも少なく無いですが、こちらはオンロードタイヤの無印グラベルキング。ロードモデルとあらばやはりより身軽なこちらかなと。
業界全体的には日の目を浴びてこなかったニッチなブレーキタイプなのでブレーキの選択肢は決して多くは無いのですが、
そんな希少な選択肢の高グレードを未だに作り続けてくれているのがVelo Orangeの銘品ミディアムリーチ。
(ここで語ると長くなるので↑のレビューを見て頂けたらなと)
このタイプのブレーキのデメリットとしてよく言われるのが脚が長いことによる制動力の低下(テコの原理をイマジンしてください)だったりもするのですが、その悩みを解決してくれるのがこのブレーキ。
脚の長さを補う角の立ったアルミ削り出しの精度と剛性の高いボディ、デフォでついているブレーキシューの品質であったりと制動力の悩みから解放さえすればこのバイクジャンルのデメリットというデメリットは無くなります。
なので他の箇所のコストを落としてでもブレーキに投資する意味は強く。止まる力の大きさというのはどんなオーナーにおいても恩恵があります。
載せ替えビルドならではな悩み?というほどでもありませんが前のバイクが近代的になればなるほど、スチールフレームのオーセンティックが詰まったこのフレームに載せ替え規格が適合する部分は少なくなっていきます。
今回であればヘッドパーツは合わず新調、ChrisKingのmidnightカラーを取り入れて頂いて、(特段お話はしなかった気がしますがカンパのホイールのカラーに合わせてですよね?)
シートクランプと画像はありませんがBBも合わせてこのmidnightカラーでコーディネートしています。
サドル周りは前サドルがテイスト的にアレでコレだったのでより馴染みの良いクラシックオブクラシックなselle italiaのFliteへと。
シートポストも同様にクラシックなポストに散見される抉り加工のあるslit seat postを選んで頂きました。
ドロップバーのクロモリフレームにはもはや条件反射的にFliteオススメしちゃうクセがあるのですが、これどうにかならないんでしょうか?
そんな好みのクセが各メカニックあると思うのですが、自分はFliteとget around barかなと。
いつもであればコンポーネントに深く触れることはあまりないんですが、
この年式のロードコンポーネントの最高峰であるDURA-ACEは格別に格好良いですよね!!異論は認めません。
世代による”当たり年”的なモノはどんなジャンルであれありますがこの9000系DURA-ACEはその中でも一際特別だと感じています。
そんなひと昔前のDURAに撃ち抜かれ当時現行品で入手されたものを、フレームは変われど継続して使っていらっしゃる。
そしてさらにモノとして価値を放っているというストーリーが最高なのですな。
僕らが現代普通に手に入れることのできる、自分が本心で格好良いと思っているパーツたちも大事に使い続けたらばこうして金銭的な価値を超えた”思い入れのあるモノ”に昇華されます。
自分が本当に好きになったものを愛でることの大事さって今思うと自転車のパーツから学んだ気がしますね。。。
モダンバイクには都度思うところありますが、フレームの周辺パーツが専用であったり特殊な部分が多いんですよね。
自社のフレームにのみ適合で互換があまり無かったり多くの意味で幅を狭める部分が散見されていたりと。
僕らが思う自由で格好良くて乗って楽しいジテンシャからは徐々に離れている気もして、賞味期限のニュアンスを強く感じさせる電化製品的な、あまりにも機械的過ぎるモノになってしまっているんじゃないかなと。
そういう意味でも僕らが思う原点的と言いますか、より自由で楽しくふつうな自転車ってこのROADのような1台なんじゃないのか?とこの2025年になっても思いますし、完成された”価値観”といえるとも思います。
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そんな価値観に共鳴してかこの近年そんなミディアムリーチロードバイクはジワジワとこの広大なバイクシーンの深淵においてモダンロードバイクのカウンターとして自然発生。
カリスマ的なアイコン、ウルトラロマンス氏周りは自身が衝撃を受け、また現代のシーン全体にも大きな影響を与えたRivendellのグラントさんが所属していたBridgestone USAのモデル名をもじった”CR-1″として、ロマンスの世界観を添加した1本を親交のあるフレームビルダーであるDarren Larkinとのスモールバッチバイクとして量産。
WILDEもこれまたプロトタイプとしてミディアムリーチロードをテストしているのが垣間見得ます。
結果的には大きなメーカーが先導してこのリムブレーキの流れを消し去っているような状況で、僕らのようなガチじゃないことにガチな自転車乗りたちが思うことは一緒なんだな〜
と安心すると共にこの流れはこれからどうなっていくんだろう?と思います。
WILD WEST w/ Barnacle fork
知人から受け継いだというブリヂストンのオールドマウンテンバイク、長らく細かなカスタムを経てエブリデイバイクとして乗られていたそうですが、
先日身軽なバイクを手にして頂いたことをきっかけによりアクティブな路線でも乗れるようなカスタムをご希望。
このタイミングでがっつりとカスタムのご依頼を頂きまして、個人的にもなにそれアツいと思う内容で作業させて頂きました。
本来であればフレームと同カラーの90sバイブス感じる総柄のユニクラウンフォークが刺さっていましたが、、、、
こちらのstridslandのBarnacle forkへと換装。
少し前のニッチな26+タイヤに触れるyoutubeでも一悶着ありましたが、読み方はフジツボの意である”バーナクル”が正解。
バーンナックルのくだりはめちゃくちゃ笑いました。
実家の屋根裏部屋の奥底にあったはずの餓狼伝説を思い出してエモくなりました。確か2。
余談もほどほどに何がバーナクルなんだと言いますと、フォークの”ダボネジ”の多さに由来しています。
この多くのフジツボのおかげで当時物のフォークでは実現出来なかった、モダンなカーゴケージであったり、ラックやバスケットであったりとオプションパーツの取り付けの幅がグンと広がることに。
そしてなによりもこの男心くすぐるストレートのパイプを5本溶接したセグメンタルフォークというのは言うまでもなく。車軸が接するエンド部分の造形もMTBMXなスタイルで格好いいんだなコレが。
前フォークから継続してVブレーキを使用しましたが、ディスクブレーキの取り付けも可なのがこのフォークの特徴の1つ。
オールドはもちろんミドルスクールなMTBもこれ1本でカバーするプロダクトというのが、オールドMTBラバーなSTRIDSLANDらしさを象徴する逸品の1つだと思います。
コラムのサイズもオールドミドル両対応する1インチ&1-1/8インチの平行ラインナップというのも非常に気が利いています。
前フォークはねじ切りタイプの1インチスレッドのフォークだったので、このフォーク交換をきっかけに1インチアヘッドにコンバージョン。
ただ見た目が変わるだけでしょ?と思うなかれ。少しモダンなアヘッドになるだけでもハンドル周りのがっちり感。頼もしさUPは馬鹿になりません。
そしてコラムスペーサーを仕込むことのできる愛嬌ある余白が生まれるのもこのアヘッド化ならでは。フレームと同色のカラースペーサーを仕込みつつ。
そしてチラチラ見えているハンドルは同じくSTRIDSLANDのAnchor Bar。
このフォークを刺すのであれば同色ラインナップされているこのハンドルを取り付けたくなるってもんです。
MTBMXバーと呼ばれるこのジャンルにおける特徴の1つであるハンドル固定サイズは少し珍しく細身の22.2mmなのですが、
現代では一般的な31.8mmのステムをサイズ合わせのハンドルシムを用いて使うことも可能です。
ただハンドルシムの”余計なパーツ付いてる感”を気にするのもわかり過ぎるほどわかるので、シムなしでスッキリとハンドル取り付け可能になるTHOMSONのBMXステムを選んで頂き。
THOMSONでよく使用するMTBステムはハンドル固定が4ボルトなんですが、こちらはBMXと銘打たれたステムということもありより固定力増しな6ボルト!しかもボルトはスチール製で太く無骨なんですな。
微妙にフェイスプレートのロゴもステム全体の造形も異なるちょっとした特別感があります。
このフォークとハンドルを盛り込むとあらばと以前より更にブロックパターン強めなオフロードタイヤをチョイスして頂いてstirdsフレーバーマシマシな1台として降臨しました。
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一足先に上馬店のIG上でもアップさせて頂いたのですが諸外国の方からも反響の大きかった1台でした。
フォークカスタムを経てのリボーンはコストこそ他カスタムと比べると少しばかり嵩みますが、
荷物を乗せる余力をぐーんと増やしてくれたり、オールドフレームならではな前傾で低めになりがちなポジションを今の気分に合わせることが出来たりと。
見た目もそうですが機能的なプラスαが大きく。
お手本のようなBarnacleフォークのカスタム、オールドバイクお持ちの方は参考にして頂けたらなと。
今回はこの辺で
それではー
いっしゅう