上馬店のタニです。
今日はシリーズ最終回、前々回から続く「まうんてんばいく」から始まった悶々の日々の話。
(先日も最高だった。木漏れ日健康法)
長くて読みにくい僕のブログを見てくれて、お店で「まうんてんばいく気になるんすけど」とお声掛けしてくれた皆様嬉しかったです、それぞれのまうんてんばいくを一緒に考えていきましょう。
・・・
【前回までのあらすじ】
「まうんてんばいく①」
「まうんてんばいく② 〜SURLYに還る〜」
ー便利で日常的なエブリデイバイクも良いし、日常乗り辛いけど休日に遊んで楽しいMTBも良い。どっちも最高。
ーだが、よーく考えるとそのどちらでも無くて、そのどちらでもあるバイクが見えてきて、それがとっても気になるし乗りたいな。
・・・というお話でした。例えば先日アップしたサンタの愛車、
STRIDSLAND “Beachcomber” なんかとってもそんなバイク。思うにキーワードは3つで、
「メイン街で乗れて」「山でも乗れて」「練習するのも楽しいやつ」
そんなバイクに僕は猛烈に乗りたい。まうんてんばいくなんだけど、そうとは言い切れない車種。
・・・さあてどうしようか、夜な夜な晩酌しながら計画を練りました(決まるまでが楽しい時間)。
そして上記3つの条件を満たすフレームは意外と選択肢も多いことがわかったし、それぞれ特徴が全然ちがうので相当に迷いましたが僕が選んだのは、
SURLY Lowside。
自分用にSURLY組むの何年振りだろう!
先述の3つのキーワードを満たしつつ、自分のパーツ嗜好や求める条件に応えてくれるのはこのフレームでした。まだピカピカで恥ずかしい、早くドロドロの傷だらけにしたいです。
久々の自分用のSURLYは、組むのも乗るのも本当に楽しくて、とっても気に入っています。通勤でさえ楽しみになるこの感覚。
20年前に乗ってたSTEAMROLLER、KARATE MONKEY、BLUE LUGに入社して乗り始めたPACERと続いて人生で4台目のSURLYということになる。では、なぜこのフレームにしたのか、それをどう組んだのかを紐解いていきます。
まずはこのビデオを見てください。Lowsideがリリースされた時にSURLY公式が出したビデオ。今見てもめっちゃ格好いいので。
格好いい。
でもこれを当時見た時、僕はその意図を完全に組みきれなかったし、なんなら誤解していた。「なんかジャンプとかがしやすい、1×1の後継機が出たんかな〜」くらいに思っていました。
でもよく見てください。このビデオの主人公が最終的に着くのはPUB。
トレイル走って、街中のスポットでジャンプして、ゴミ箱と倉庫の脇を抜けて街に出て、たどり着くは行きつけの飲み屋。ここがポイント。
所詮は飲み屋までの足、山の中でしか輝かないバイクじゃなくて、滅多に行けない大袈裟なライド専用品でもなくて、自転車なんて所詮は日常に生きる道具って感じ、そうそうこれがSURLYだ。
「Lowsideを究極のパブクルーザーと呼ぶ人もいます。」(公式のコピー)
最近夜な夜な悶々とブログを書いてきた僕の心の隙間をLowsideが完全に埋めたのでした。LOWSIDE、仕入れたので是非見にきてください。
今期の純正色は「New Pig Smell」というピンク色。
もちろんいつも通りSURLYは他メーカーのフレームよりお安くリペイントができるので、このピンクが気に入らない方はオリジナルカラーに塗っちゃいましょう(カーキやARMYなアースカラー系とか格好良さそう)
僕も第一印象「良い色だけどちょっと可愛すぎかしら」と思いましたが、そんな時は自分の脳の外付けハードディスク、「好きなバイク写真フォルダ」にダイブして自分と向き合います。
このSOULCRAFTや、このFALCONER、
「ああ、自分はピンク色のバイク好きなんじゃん」と気づきと芽生えをGET。
そしてこのbushtruckerという人のこのバイク↓
この方、バイクの組み方やパーツ選びの塩梅、勝手にとってもシンパシーを感じている人。日々のライドやピットライフにも憧れている。このバイクが決め手になりました。今回はリペイントはやめて純正色そのままで乗っちゃおう。
そしてこのフレームを選んだ重要重大なファクター、
「26+」 のタイヤを履くことができるところ!
26インチで2.8〜3.0という、ファットバイクより細いけど一般的なMTBより太い、この規格。一部のスタッフ内でこのタイヤが非常にHOTで、なんとしてもこのタイヤがFITするフレームが良かったんです。
なんでそのタイヤがいいの?というのは先日アップのこの動画を見てください。
ウエンツ、カネヤンと熱く語っております(加筆:bikepacking.comにも掲載されました。どうやら少数だけど世界にも26+信者はいるらしい)
タイヤやリムの選択肢も少ないし手に入りづらい。そもそも適合するフレームも少ない。自転車屋さんとしてはとっても売りづらいこの規格。でもまだ皆が気づいていないその辺のニッチさも魅力なのかも?
「26+」(細々と品揃え頑張ります)
ここからは組み方、どんなパーツを使ったかを書きます。とはいえそれは人それぞれ、皆違っていいところ。
まずシングルスピードで組みたかった。というのは、この世で一番格好いいハブ(個人の見解)PAUL Word Hubチャンス。このハブを使ったシングルスピードMTBには何かカルトを感じるし、畏怖さえあったのだけど、ついに乗っちゃいます。乗りこなせるかドキドキします。
ギア比は今のところ前34 x 後ろ17/19 のディングルです。そして写真でお察しの通り、ディレイラータブが付いているのでギア付き/シングルどちらでも組むことができます。
KARATE MONKEYのご紹介のときにも書きましたが最近のSURLYはアダプタを使うと「135QR」「142×12」「148x12Boost」って3つのハブ規格どれでも使うことができるのがとってもデカい(普通は無理です)。僕が所有していたWORD HUBは前後QRなのでとっても助かりました。
ってことはフロントハブもQRなんですが、さすがのSURLYもフォーク側は多種コンパチではありません、なのでこのバイクの最大の「蛇足」、
ブリッジクラブのフォークを刺してあります。ATC(フォークの足の長さ)は同じでオフセットが少々変わりますが問題なし実証済みです。これは完全な蛇足なので絶対使いたいQRハブをお持ちでなければこんなことする必要はありません。
クランクは最近乗る気にならないOLD MTBから移植。
大好きなミネアポリスのメーカーWOLF TOOTHのドロップストップチェーンリングでシングル化しました。節約のためにクランク移植したのに結局PHILのBBを使いたくなってしまい意味がありませんでした。KMCのGOLDのチェーンを掛けたくなるのはなんか悪いクセというか、昔からたまに発作的にやりたくなります。これも特に意味はありません。
遊び方的にドロッパーポストは必需品ですが、LOWSIDEは極限までシンプル、ダボ穴やケーブルストップが少なく(そこが好きですが)謎にドロッパーインターナルの穴はあるのにドロッパーのケーブルハウジングがありません。
なのでジップタイでケーブルを這わせます(上馬店にあった謎のガイコツケーブルハンガーを使いました。なんだこれ)
またディレイラー用のケーブルハウジングもないので、もしもリペイントしてギア付きで組みたい方は、
ペイント前に、赤丸⭕️らへんにケーブル受けを溶接するのもかっちょいいかもしれません。(このケーブル受けが無いところがシングルスピードで組んだ時にめっちゃ格好良くなるポイントなのでシングル民はそのままで良いと思います)
ハンドルはBTCHN(ロゴは剥がす派)グリップはもちろん大好きなOURYです。このワッフルパターンのBMX Gripはジャンプするには手が痛いけど格好いいので我慢して使っています。限界が来たらOURY flange gripに変えると思います。そして
この格好いいバーエンドはまだ内緒です。準備ができたらブログを書きます。
あと、僕はブレーキは「右前」です(右レバーを握るとフロントが動く)。よくお店で聞かれるのですが、アメリカが「左前」なのでご希望のお客様には左前で組むことも多いです。日本はママチャリ(JIS)が右前なので僕ら日本民族が慣れているのは右前のはずですが「アメリカのバイクだから左前にしたい」というのもとっても格好いいと思いますし、お持ちのバイクで左右混ぜるのは危険なので統一さえしていればどちらでも良いと思います。
ブレーキは値上げ前(みなさんも急いで)に買って温めていたPAULのワイヤー式、KLAMPERはワイヤー式にしてはありえないくらいのブレーキパワーですが、この前トレイルを走った時にもう少し効いて欲しかったのでフロントローターを180mmに交換しました(撮影時は160mm)。PAUL FHUBはボルトオンも存在しますがクイックを選んだのは輪行で便利だからです。
最後にもう一つおすすめ紹介しておきます、この工具
*EQUIPT* sardine
リアのコグが17/19tのディングルなので、チェーンを掛け替えてギア比を変えて運用しています。(街乗り34×17=2.00 / 山遊び34×19=1.78)ギア比を変える時にリアハブにちゃんとトルクを掛けれて、ボルト回しやすくて、軽くて小さくて、なおかつ取り出ししやすい工具・・・どれじゃろう、と色々試しましたが、コレがWinner。とってもおすすめです(ただこの専用ケージから一回トレイルで落っことしたことがあるので、輪ゴムで止めています)
そしてそして、肝心の乗り味はというと、上に貼った公式のビデオのように容易くジャンプはできません。あのビデオの兄ちゃんがめっちゃ上手いだけです笑
僕もあのビデオの印象で勘違いしていましたが、決してダージャンやBMXライクなジオメトリーではなく(なんなら1×1よりややまったり)激しい下りでも安定感があり、ちゃんとトレイルも走れる。イコール街乗りクルージングもできるバランス良いジオメトリーです。あのビデオのように乗るには、他のバイクと同じく練習あるのみ、です笑 ジャンプ特化にしちゃうと街乗りに向かなくなるのは最近わかってきました。
LOWSIDE。話題性だけで言えばStridslandのBeachcomberやCRUST Wombatの影に隠れてしまっていたのかもですが、とっても楽しい推しフレームです。是非愛車の候補に入れてくださいませ。
さて、良い歳してあとは乗りまくって楽しむだけだ。若いもんには負けられん、フンッ!
うおおおりゃ
ぐへぇぇ
自転車楽しい、ヒザ痛いです。最後まで読んでくれてありがとうございます。タニでした。