こんにちは
上馬店より一周です。
突然ですが自分は”欲しい何か”ができたら「いつかは俺も…」と常々思うようにしています。
わりかしシャイな方なので言霊的に口に出すことまではしませんが、”意識”するだけでもいつかは叶う気がするじゃないですか?
そんな意識が1つ叶った瞬間が先日ありました。
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BlackMountainCyclesのこの1台、2020年の生産を最後に廃盤となっていたROADモデル待望の復刻(!)
このフレームは心待ちにしていた1本、同じように熱狂しているコメント欄を見て海の向こうの人たちに仲間意識すら。
時は2年前に遡ります。。。
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一昨年BlackMountainCycles本拠地へ赴いた際に「あのバイクを復刻することはもうあり得ませんか?」
なんてマイクさんに聞いてみましたが、渦中を越えてからのフレーム生産背景の変化やアメリカのリアルな需要の話だったりとその時は流れてしまったこの話。
その翌年の2024年アメリカ出張の際に起きたいくつかの巡り合わせと、
このようなジャンルの1台がカルチャーの入り口だった自分だからこそ、このモデルへの熱意は冷めやまず復刻をお願いしたのです。
現在でもラインナップされているクロスフレームである”monstercross“とのリムブレーキバイク2本柱でバイクブランドとしてのBlackMountainCyclesが誕生、同ブランドを象徴する2モデルのうちの1つであったこのフレーム。
機能的に優れ現代の標準ともいえるディスクブレーキのバイクに置き換わっている現代、人によっては「前時代的」とも言うであろうこのモデルをなぜわざわざ復刻しようと思ったのか?
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最近の多くのロードバイクがやれ電動無線、やれ油圧、やれエアロ、やれ○○etc…と、自転車という概念を超えてもはや電化製品化していると言って良いくらいにハイテクに、そして複雑になっているのを横目に見ていていざ乗ってみると技術の進化に感動を覚えて「凄んごー!」
と感じる反面僕らがはじめて心惹かれて憧れたはずの”シンプルで格好良い姿形のロードバイク”って現代にもう無いんじゃないか?とも思っていました。
そんな”クラシックなリムブレーキのロードバイク”という希少な選択肢を未だに作り続けているメーカーはあるにはあるのですが、
クラシックスタイルな細いタイヤサイズだったり、ちょっとしたディティールやブランド背景だったりと個人的に刺さるものが現行品にない現状で、
ここがこうだったらなぁ、、、と、全てを満たしてくれるバイクがこのROADだったのです。(このバイクはマイクさんの所有する初期ロット)
一般的に想像されるロードバイクといえば、太くてもせいぜい28mm程度と、ふつうの人にとってはかな〜り細く感じるタイヤを設計のベースとして作られているのですが、太めの35mmを最大タイヤサイズとして設計され”速さ”でなく”快適さ”にフォーカスされた1台なのです。
余談ですが日本独特のカルチャーであるママチャリのタイヤは38mm程度がスタートの太さ、いかにこのロードが快適さを念頭において設計されているかが分かりやすいポイントかなと。
(長き渡るロードバイクシーンの中でも脚光を浴びてこなかったキャリパーブレーキを用いてそのタイヤクリアランスを実現しているのですがその話はコチラから)
ほそほそのタイヤでデザインされている多くのクラシックロードバイクたちは、出立ちこそ僕らが想像するロードバイクではあるものの、その細いタイヤはあくまで舗装路を”早く走る”ことに特化したものでどうしても僕らの”日常”からはかけ離れるものでもあり。
そうしたバイクたちが生活にフィットせずに手放され、もらいものとしてピットインするケースは全国のメカニックあるあるかと思います。。。
(でもそれは”ロードバイク”が悪いのではなく”細いタイヤしか履けない”ことが元凶だと思ってます)
そして現代のロードバイク事情が絡んできます。(これは幡ヶ谷スタッフダイチのENVE Melee、現代におけるいわば到達点的な1台)
この数年太いタイヤの方が早いとロードレースシーンで実証され、ひと昔前なら考えられないほど太く良質なタイヤの選択肢がブワッと増えている現代。
今回のBlackMountainCyclesロードのようなそれまで世間的に日の目を浴びることのなかったいちジャンルである”ミディアムリーチロードバイク”ジャンルにズバッとハマるタイヤ幅が現代の標準になったのです。
それらの選択肢が未だあった少し前の時代にこのバイクにフィットするタイヤはそもそも少なく、この現代においてなんの運命かミディアムリーチロードが輝く瞬間がやってきたのは紛れもない事実。
そして僕らの憧れるシーンの生き地引、レジェンドであるマイクさんが手がけるバイクとあらばもう。。。
そんな中でウルトラロマンス周りが今まさにこの瞬間お熱になっているのがまさにそんなロードフレームだったりもするのです。
彼らはひと昔前のミディアムリーチロードをさらに発展、進化をさせて物理的限界である38Cタイヤクリアランスのバイクをハンドメイドバイクで実現させていました。(たかが3mmの差と侮るなかれ、この3mmはバイク設計において非常にシビア)
ロードバイクを超えてグラベルバイクなんじゃないか?なんて思いもすれど、彼らが生み出すバイクにジャンルなんて概念は野暮ってもんです。
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ラインナップ中このフレームにのみ採用されているロゴデザインは今なおバイクシーンに強い影響を与えている伝説的ロードレーサーである、エディ・メルクス氏トリビュートなデザイン。
このMolteni Orangeと呼ばれるオレンジ色のロードバイクは正史的ロードレースジャンルにおいても、カルチャー的系譜においても幅広くサンプリングされ続けるアイコニックな1台、
マイクさんが熱中したであろうロードバイクシーンへのリスペクトが込められています。
(ちなみに元ネタのバイクはこちら)
細かな仕様は本国HPに記載があるので是非ともチェックをば。
速さではなく快適さ楽しさに焦点を当てた1台は32〜35C程度の太さのタイヤを組み合わせたらば”魔法の絨毯のような乗り心地”とマイクさんは表現。
早く乗りたくてウズウズしています。。。
未だ日本に到着すらしていないのですが、沸々して落ち着かない日々のお裾分けでした。
続報はまた追って
それではー
いっしゅう