「マズうまい」

僕がアメリカで育つ上で食べた食品の味を表現する際によく使う言葉だ。

美味しくないとか、美味しいとかはっきりした答えはなくて、文字通り不味くて美味いとしか説明できない食品がアメリカにはたくさん存在する。

「ダサかっこいい」

に似たような表現だと思ってもらえれば光栄です。

この、マズ美味いという矛盾した味を無性に味わいたくなることが定期的にある。

中でも恋しく思うのはこの二つ。

Banquetの冷凍マカロニ&チーズと冷凍ミートボールスパゲッティー。

見るからに不味そうという声は一旦無視したいところですが、しっかり不味いです。
味が不味いというよりかは、ベチャベチャな麺と、ゴワゴワなミートボールが生み出す不快感のハーモニーが不味いファクターを一気に上げている気がします。

舌で感じる本来の”味”は割と美味しいです。ガーリックで押し通しにきた感じのトマトソースが味覚を刺激する。

色やべえという声は一旦無視したいところですが、本気でアカン色をしたこのMac & Cheese。
これに関しては、チーズがアホみたいに臭い。人が作り出した偽物のチーズ臭が不味いファクターを爆上げ。
でも何故か止まらない。これが謎。なんか入ってるだろこれ
しかも、速く食べないとチーズがカピカピに乾いて食べられなくなります。

これだけ読んでいると、絶対まずいようにしか聞こえませんよね。僕も書いてて、実は不味かったんじゃね?って思い始めています。

でも、不意に小学生の頃スクールバス乗車前に、リビングルームの大きなダイニングテーブルにちょこんと座ってこれらを頬張る記憶が蘇り、恋しくなる。

マズ美味いの “美味い”は、実はノスタルジーによる錯覚なのかもしれない。

アメリカに行く機会があれば、是非お試しあれ。