上馬店のタニです。
今日はRivendell久々の新作フレーム、
日本にもまもなく入荷を控える「Roaduno」の事と、Rivendellから届いたギアたちのご紹介。
まずは待ってた方も多いんじゃないでしょうか。待望のフレームポンプ。
ツーリングや休日ライドの強い味方、”Mike FramePlumper”。Zefal亡き今貴重な”つっかえ棒タイプ”。
そしてこちらもお待ちかね、キャップが2種。
菱形RBWロゴとBFF公式ベースボールキャップ。どちらもアメリカ製。
毎度楽しみなRIVのキャップはコレクターがいるほどで、毎入荷すぐなくなっちゃうのでお早めに。本国スタッフの皆みたいに気取らずワークウェアにラフに被ってくださいませ。
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そして話をROADUNOに戻します。Rivendellが作る”シングルスピード”モデル。歴史上点々とシングルスピードのフレームを作ってきたRivendellですが、その由緒ただしき血統種。入荷前の己の予習として書こうと思います。
トラックバイク・シングルスピード経由で育てられた僕らブルーラグも皆さんも、きっと思い入れ強めになっちゃうし、普段パーツ選びで使ってる脳とは違う部分を刺激してくれるようで、とっても面白いフレームです。(もちろんトラックバイクではないし、トラックバイクとは全く別物なフレームですが)
また、シンプルな機構だからこそ、15年前にピストブームで起こった「自分で組んでみようかな」なんて気持ちにさせてくれるのも、シングルスピードの素晴らしいところ。
でもさすがRivendell。とあるギミックを仕込んできました。らしさ全開で遊び心全開、このオリジナルのドロップアウト形状。違和感に気づけた人は鋭い。
ピストハブやトラックハブを受け入れる、120mmスペーシング=シングルスピード専用のフレームなのに、ディレイラータブ(変速機をぶら下げる穴)が付いている?
どういうことか、分かった人さらに鋭い。
たびたびブルーラグでも組むことがある、PAULのMELVINなどのキャパシティを持ったチェーンテンショナーなどを使って・・
フロントの変速を成立させる「マルチスピード・シングルギアバイク」っていう変テコなバイクとしても組むことができます。
後ろのギアは1枚で、シングルスピードバイクの乗り心地なんだけど、HiとLoに変速できるという。DIY脳を刺激する面白い組み方。
加えて、グラントさんのブログに、上記のMelvin作戦とは違う文脈、真意が書いてありました。
これはグラントさんのPLATYPUS、後ろのホイールはあくまでギア1枚。クランクにはギア3枚ないし2枚。
そしてMELVINじゃなくって古いリアディレイラーがブラさがっている。おそらくRoadunoの構想の過程の実験だったと思われる。
グラントさん曰く、
”家で眠っている、キャパシティ(変速できる歯数の容量)は少ないがまだまだ”寿命はある”古いリアディレイラーを、工具箱から、棚から引っ張り出して、自転車に取り付けてみよう。変速機としてではなく、チェーンテンショナーとしてまだまだ活躍してくれる”
たしかに、古いロード用のディレイラーってめっちゃ格好いいけど、軽い方のギアが25t-28tくらいまでしか対応してなかったり、現在僕らが快適に思うバイクに組み込むのはちょっと無理があります。
でも捨てられない・・そんなディレイラーに第二の人生を歩ませては?っていう、サステナブルで言っているのかどうかはわかりませんが、グラントさんからの提案です。
こちらの動画、17:50〜くらい、グラントさん自らのバイクチェックを見てください。
「サンバイワン!」
1×1(ワンバイワン)ならぬ3×1(サンバイワン)・・・急な日本語に思わず笑ってしまった。(グラントさんはUSA Bridgestone時代の経験から日本語に明るい)
もちろんシャキっとシングルスピードで組んでもいいし(それが結局一番格好いい説もある)上記のように、Melvinや古いディレイラーを使ってセミ多段化してもいいし。
初めてのバイクとしても、2台目以降のバイクにもなり得る、”ソソる”組み方ができちゃうフレームなわけです。
(先日のシャミのブログみたいに「2×2」にしちゃう変態も現れそうですね)
で、この「サンバイワン」、どんな乗り心地なんだろう?ってところだと思うので、自分自身のRoadunoの予習の意味も込めて試乗車を用意してみました。
式神の媒介にはFrank Jones Sr. ブルーラグ10周年で作ってもらった過去のシングルスピードモデル。
このフレームにはRoadunoのようにディレイラータブが付いていないので、PSの後付けタブを使ってディレイラーをぶら下げました(要加工、Frank乗りの方おすすめしませんです)
パーツ箱を漁ってちょうどいい歯数のチェーンリングを発掘しました。見た目はちょっとアレな感じになってしまいましたが、これでサンバイワンに成った。
乗ってみるとあら不思議。平地ではシングルフリーの颯爽感。「次の角を曲がったら登り坂だ」という時にギアをスチャッとLOに入れる操縦桿。面白い。
お店に置いておくので、ぜひ試乗してみてください。
12速だ13速だ、機能性能が上積みされていく自転車ですが「ああ、こんくらいでいいね?」とグラントさんに言われているよう。
ちなみにこのフレームにはシフトワイヤーの受けがないので、
シフトレバーはこんなところに仕込んでますが、股ぐらに手を突っ込んでゴソゴソ変速することになります(なのでこの位置はおすすめしません)試乗の時はご注意を。
Roadunoはちゃんとダウンチューブに片側だけ受けがあるので、股間ではなく手元に変速レバーつけれますのでご安心を。手元に変速レバーあった方が便利です。
そしてシングルのバイクの良いところ、ハンドルから伸びるワイヤーが少なくてスッキリ。
メカニック的なウンチクをいくら並べても、やっぱりシングルスピードは「シンプルでかっこいい」っていう純度の高いこの心の動きが一番説得力ありますね。
今書いていて思いましたが、最近自分のバイクでは焼豚巻はしてないです。昔巻いたバイクはそのままそれが朽ちていくのが気に入っているので(ビューセージ)わざわざ解くこともしないけど、グラントさんももうやっていないし、でも今後もやりたい人はやればいいし、Rivendellを組む時のグリップの選択肢の一つになった、って感じです。
ハブは大昔にピストで使っていたものを再利用。こちらも第二の人生を歩んでもらいます。同じ状況の人いるんじゃないでしょうか?
あなたのお家も工具箱にピストハブ眠っていませんか?それはRoadunoチャンスです。
Roadunoの先行試作型モビルアーマー、「サンバイワン」のギミックとして面白いところ、シングルスピードのRivendellを感じれると思うので、ぜひ試乗していただけたら嬉しいです。
通常のリアディレイラーの変速をイメージしてると、ぶっちゃけ不便なところも含めて味わってもらえると思います。
決して「サンバイワン」がおすすめなわけでもなく『あれ、俺は普通のシングルでいいや!』って方はぜひシングルで。選べるというのが、楽しいところ。
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最後にサイズに関してです。
基本の表『Rec-PBH Range』の通りで良いと思いますが、僕みたいに2サイズ狭間な体格な人ももちろんいるので、ぜひご相談くださいね。付けたいハンドルや組み方、体型や乗り方で大きめ or 小さめ選べることもあります。
お店では47.5、51、54.5サイズに見立ててシャミのSAM 47.5、僕のHOMER 51、サンタのSAM55と似寄りのジオメトリのバイクも用意したのでサイズの予習にご活用くださいな。
日本発売までまだ時間がありますが、こんなにビルドの妄想が捗るとっても楽しいバイク、久々で楽しいです。楽しみながら待ちましょう!
長くなりました、最後まで読んでくれた方ありがとうございました。タニでした。