上馬店のタニです。

今日は自分のバイクのことを書きます。

僕は好きな自転車メイカーは数あれど、RivendellBlack Mountain Cyclesが特に好きです。共通する理由は、その奥に僕の大好きな”アメリカンハンドメイドバイク”と歴史を感じるメイカーだからです。

先日、Black MountainのMonstercrossを自分用に組みました。
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
新ロットが入荷した、Black Mountain Cyclesの中でも根幹となる、マイクさんの基本思想がギュッと詰まったフレームです(まだの方この動画字幕ONで見てくださいね)
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
クロスチェック亡き今、永遠の定番というか、15年前にすでに出てしまったアンサーのようなバイク。

「いつか絶対このフレーム手に入れるんだろうなー」なんてことはわかっていましたが、

今ロットのサイズの刻みの変更によって自分にドンピシャサイズが降臨したのと、このカラーを見逃すわけにはいかなかったので、我慢できませんでした。人生の財産として持っていて損しないし・・バラしてもずっと手放さないフレームとわかっていたので・・モゴモゴ(自分への言い訳)

身長173cm、サドルハイト71cmで53サイズぴったりです。
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
BMCのラインナップ中で特異なところとして、他モデルより「組み方が自由でいろんな組み方ができる」というのが楽しいところだと思います。

Mod.zeroやLa Cabraは性能を引き出すために組んでいくとどうしても似通った組み方になってしまいますが(それが正しいと思いますが)このMonstercross、流行り廃りのないクラシックとしてクロスチェック同様、アクティブにドロップハンドルでも、カジュアルに街乗り用でも、GRXやSRAMでバキッとグラベルバイクにしても良いし、フラットバーでカゴをつけてもいいし、泥除けつけて通勤で使ってもいいし、、いくらでも組み方が出てきます。

SURLYほど何でもかんでもなわけでもないですが、持て余しているパーツで構築するのにもとっても優秀なわけです。

 

ーー以下僕のモンスタークロスのバイクチェックです。組み方が自由なフレームだからこそ、全然参考にしないで見てくださいね。戯言です!

役割が被ってしまうバイク2台をバラして、ドロップハンドルで組みました。まずはプラペでOKなドロップバーバイク。輪行で遊びに出かける時だけビンディングペダルに変えて乗ると思います。
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
わざわざカンパで組みたかったのでは決してなく、昔お小遣いを貯めて買ったこのコーラスのグループセットを余らせておくのが勿体無かったのが理由です。なんならこのコンポが活かせるなら買おうかな、とコンポから生えてきたようなものです。

(昔611で使っていたコンポで ↓ いろんな所に走りに行った思い出のバイクですが、一旦お休み)
*SIX-ELEVEN BICYCLE CO.* Taco-nanokana
で、上記のバイクで困ったこととして、お休みの日に峠道や林道に遊びにいくようになって、カンパだと自分にはローギアが足りないことが徐々に判明。それで登場回数が少なくなっていきました。

格好良いので使いたいクランクのインナーギアも34t、精度キンキンで格好いい(しかも高い)スプロケもファイナルロー29tと強制的にがガチムチ仕様、40mm以上のタイヤを好むのに脚力ポンコツな僕にはグラベル坂道でいつも軽いギアが足りなくて四苦八苦してました。しかもハブもカンパ専用品でなきゃという縛りもあり。

そして手元で余らせたくなかった手持ちホイールは10sシマノボディという無理ゲー具合。
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
大昔に人からいただいた大切なハブなので、できればこれも使いたい。コンポをとるかホイールを取るか、どちらも叶えることなんてできないのか。

そんな手持ちパーツの互換パズルがこんがらがってin my brainしながら酩酊していると、上記問題を一気に解決する邪道な噂があったのを思い出しました。
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
お客さんのバイクにはやらない邪道なので詳しく書きませんが、WOLF TOOTHのRoad linkとあるスプロケとあるチェーンの組み合わせで、動作するらしい、と。(RivendellのローマンのこのRoadiniも背中を押しました)

「よし、この邪道がただの噂で、コンポとホイール両方解決できなかったらこのフレームは買わないぞ」と。

頑張ってクリアできたらご褒美で買うという誓約と制約、ジャッジメントチェーン。

定休日のピットで試行錯誤すること半日。互換パズルの合間を縫ってなんとか動作確認、チェーン2本無駄にしましたが無事に動きました。
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
このホイールも別のバイクで使っていたもの(そのバイクもバラしました、新しいバイクが組みたいけど置く場所がない人はバラしましょう、お手伝いします)、
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
リムは昔大好きだったクリスクロス。これも割れるまで大事に使おう。これがダメになったら代替のリムはvelocityのquill、PacentiのForza、MAVIC open pro USTあたりでしょうか。それか話題のAstralを使ってみたい。

お店としておすすめするのはブラスニップルですが、おまじないで自分のホイールはだいたいアルミニップル(おまじない欲しい方ご相談ください)を使うことが多いです。

そしてまだまだある、このフレームの魅力、*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
このPACENTI P.B.Pクラウンを使ったフォーク、それは無限白飯。このフォーククラウンのためにバイクを所有したい、なんてことを言い出す人が世界中にいる、カルトなラグです。

組み方に自由が効くフレームですが、なんたってこの呪術(DISCブレーキ)全盛の平安時代に「リムブレーキ」が象徴的なフレームです、
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
よく一点豪華でヘッドセットやBBに奮発をお薦めすることがありますが、このフレームはもしかしたらブレーキが投資をすべき肝かもしれません。PAULのカンチだけ頑張って他はリーズナブル、なんて組み方もいいかもしれない。

制動力が必要な方はPAULのmini-motoブレーキもお薦めですが、タイヤクリアランスが43mmほどなので少しフレームの旨みを喰ってしまうのが悩みどころです。「monster cross」らしく50mmのタイヤを入れたい方はカンチ、制動力=スピードやアクティブさが必要な方はmini-moto+43cタイヤはどうでしょう。

もう一つフェチポイント。

トップチューブのワイヤー受けの「3連ダボ」。”メリケンサック”とか呼んでいるこの小物 ↓
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
古いMTBやCX車によくある仕様で、シートクランプ部のワイヤーワークに命かけたり、トップチューブを3本のワイヤーが這うところに興奮したり。
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
だからフロントダブルで組みたくなっちゃうのもこのフレームの魔力かもしれません。(上から来たFDワイヤーを滑車で向きを返す仕様もFDつけたくなってしまう理由ですね)

とかいっていつか未来に、
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
このエンド形状を利用して、
*Black Mountain Cycles* monstercross (52)
一周のように、シングルスピードで組んだり(今ロットから132.5mmリアエンドなのでWord Hubチャンスですね)

あぜみさんのように、肩の力を抜いたちょうど良いフロントシングルにしてみたり・・きっと自分も定期的に組み替えていろんな姿で乗っていくバイクなんだろうな、と思います。

タイヤはMAX50mmクリアランスがあるけど、輪行のときにホイールが抜きやすい40mmのタイヤにしてあります。とかいって50mm入れたくなっちゃうんだろうな。*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)
新車としてももちろん、余らせたくないパーツを活かしたり、今乗ってるバイクからの載せ替え先として。

今の気分やあなたの実際の用途に合わせて長く乗れるフレーム・・なんて能書きのフレームはいくつもありますが、なんたってBlack Mountainが格好いいです(大事)。FALCONERやHUNTERやSOULCRUFTに感じるあの香りがします。

そんなバイクがピタッと来る方、ぜひ候補に入れてください。組むのも楽しい、乗っても良く走る良いフレームです。
*BLACK MOUNTAIN CYCLES* monstercross (53)

乗り味は言葉で説明できないのが常なので、僕のバイクを試乗車にしてあります。ぜひお店に乗りに来てください。

最後まで読んでくれてありがとうございます、以上タニでした。