上馬店のタニです。
マフラーがいらない季節になってくると、ブルーラグ各店の店頭で「自転車初めてなんですが・・」ってお言葉をよくいただきます。
正直、世間一般的な自転車業界の中ではちょびっと変わった品揃え、嗜好のブルーラグですが、この「初めてのバイク」「ファーストバイク」が自転車屋冥利に尽きる一番嬉しいお仕事、オーダーだと思っています。
自分が自転車生活を初めて、眼から鱗で今までの価値観や行動範囲をぜーんぶ自転車に破壊されて感動した経験を、「ほらね最高でしょ」と同じ良い思いをして欲しいからです。
「終電」って制限時間に支配されて、世田谷から高円寺は「遠い、行きづらい」って信じていた頃が懐かしい。冬は寒いし夏は暑いけど、満員電車では気づけない季節を感じ取ったり、美味しそうなご飯屋さんが新しくできたことに気付けたり、好きな場所に行ける自転車は自由で最高だし、それをこの春から始めちゃう人を1人でも多く増やしたい。
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なんてエモ目の前置きは以上で、今日は最近組ませていただいたSURLYから、個人的お気に入りの2台をご紹介します。
*SURLY* straggler 650b(42)、すでに自転車乗りの旦那さんが、奥様に組んだファーストバイクと、
*SURLY* cross check (54)、他メーカーのバイクにお乗りでしたがSURLYの魅力に気づいてしまったオーナーのファーストSURLY。
まずは奥様号、嫁チャリとしてのストラグラー。やはりファーストバイクの候補はSurlyが1番だと思います。
最初の一台、叶えたい希望もどこまで叶うかわからない不安も両方ある中で、Surlyだったら限りなく叶えてくれるし、実際乗り出してからの快適さ、良く走るし頑丈で。
そして数年経ってみて、乗り方や自転車との付き合い方が変わっても組み替えやカスタムできっとその時のお気に入りに変化させれるところが理由です。ハンドルは前傾姿勢でないゆったりアルバトロスバーを。オーナー自身が実際に何本もお店で握ってもらって決めたハンドル。
お好きな色にカスタムペイント、これもファーストバイクをお探しの方にとって、長く愛着もって行けそうだ!と思えるポイントかも。深いメタリックのチョコレートブラウンにペイントしました。
女子チャリ嫁チャリのマストといえばバスケットですが、
ズボンを守るチェーンガードは服装を左右しにくいバイクにできるし、
キックスタンドは停める場所や停め方のハードルをググッと下げてくれます。男子はバチャーンとガードレール立てかけで良いと思いますが、行く先、停める先でそうはいかない時もある。
そんなのクロスバイクについてるじゃん、と思われがちですが、決定的に違うのは乗り心地。日常の便利がくっついてるけど乗ればグラベルバイクの機敏さ走破性。少ない力で遠くまで、上り坂もスイスイと。そこが違います。
すでに自転車乗りの旦那さんのアドバイスも踏まえ、めちゃ素敵な嫁チャリに仕上がったと思います。個人的に好きなのがこのBROOKSカンビウムサドルのカラーチョイスと、
生成りのバーテープとコルクチップのグリップのチョイス。こりゃかわいい。
まずは”お気に入り”バイクにすること、そうしたら沢山乗るし大事にするし、今までと休日の過ごし方まで変わっちゃった、なんてことがこのご夫婦自転車乗りに起きたら感無量です。
お次はもう少しアクティブな組み方のSURLY。
今までスポーツバイクにも乗ってきたオーナー、一般的なスポーツバイクでいうと異端なSURLYですが、ずっと気になっていた、とクロスチェックを選んでもらいました。こういうパターン嬉しい。
そしてこの方のクロスチェック、納車前の試乗で僕自身「クロスチェックやっぱメチャいい、メチャ走るじゃん」と思えた1台です。
ドロップハンドルの”高さ”に注目。サドル座面と同じくらい、通常のドロップより高めに設定。
今まで乗ってきたドロップハンドルのバイクに「少しハンドルが遠いかも」「前傾姿勢がきついかも」とん印象お持ちだったので、慎重に打ち合わせ。
DISCブレーキのハイテク11速グラベルコンポなんてのもありますが、クラシカルなカンチブレーキに9速ドライブトレイン。これでも乗ったら気持ちよく進むバイクになります。
加えて、価格的にもこれらのパーツは合理的だし、メンテナンスもお安く簡単。世の中不要なスペックの完成車バイクが本当に多い、なんて思います。完成車だと用途に合ったパーツ選べないですしね。
休日多摩川沿いのサイクリングロードを流す、なんてお話もしてくれて、そんな休日に十分な積載が必要なのでフロントラック。これもピュアなロードバイクではできないこと。ラックのままでもいいですし、この上にバスケット乗っけちゃうのもよし、です。
のんびりまったり、なニュアンスではなくってちゃんとアクティブに、な感じん時の小さな裏技「ピン付きペダル」。足の裏とペダルが滑るか食いつくかって実はすっごい大事。今回は*MKS* allways pedalを選んでもらいました。
坂道で楽したいな、とかもう少しスピード感欲しいな、なんて方はご自身のペダルと足の裏の関係を見直してみると良いかもしれません。
そしてグラベル(砂利道)タイヤは数あれど、本当に毎日自分が走る”道”の路面をじっくり思い出してタイヤを選ぶのも自転車が気持ちよく進むようになるポイント。スリックで転がりの良いけど多摩川の砂利道も攻略できるものを。とかいって、行くかわからないオフロードのタイヤを履いちゃうのも、男のロマンとしては理解できますが、小さな裏技です。
その他、気にするのはリムの重量だったり、パーツの選択一つ一つに乗る人の用途や希望に合わせてコツコツ小さな裏技を積み重ねていくと、本当によく進むバイクになります。
先ほども書いたけどこの方のクロスチェック、試乗の時に本当気持ちよく走って、SURLY以外のフレームもたくさん扱っているし乗ることも増えたけど「やはりSURLYってとっても良い、クロスチェックは名車だな」と思い出させてくれました。これでいいんや。
酷使されて味の出た姿が楽しみです。たくさん乗ってくださいね。
もちろんSurlyは高価なバイクだけど、フレーム各所に詰め込まれた工夫やアイデア、品質を考えると1番コスパがいい、合理的なメーカーです。
正直同じ価格帯の他メーカーで「なんでココこういう作りなんやろ…」なんて事ザラにあるし、Surlyと同じくらい乗り手への配慮と乗り心地を両立してる他メーカーってもっと高価なものが多いです。そこもファーストバイクにおすすめな理由です。
新しくバイクをご検討されている方、選択肢に是非SURLYも加えていただけたら嬉しいです。
以上タニでした。