上馬店のタニです。
今日は先日入荷したRivendellのフレーム”A.HOMER HILSEN”のバイクチェックとサイズ、カラーについて書きます。
HOMER、店頭販売分のフレームも各店残りわずかですが、色やサイズで迷っている方是非参考にしていただけたら幸いです(自分もものすごく迷っている)。
ーーペンシルーー
店頭で皆さん悩んでらした、色とサイズのことから掘り下げます。
まずは色に関して。”HOMERといえばのBLUE”と、新色の”DARK GOLD”。
BLUEは説明不要、伝統的にHOMERが纏ってきたあの憧れのBLUEです。その普遍性や ”Foreverホクホク感”が決め手になったオーナーもいます。
「自分が65歳になっても、廃れないあの”HOMERのBLUE”である」ってやつです。
そして新色GOLDは、
金色というより落ち着いた濃いイエロー。”山吹色”っていうのが日本人には伝わりやすいかも。こちらもめちゃくちゃ良い。僕もお店で首を傾げたお客様たちと同じく、本当にこの2色は悩むし互角の勝負だと思います。。どうやって決めるのこれ。
ここまでGOLDに関して「予測していなかった新色、伏兵強襲」みたいなニュアンスでご案内もしてきてしまったのですが、それにしてはHOMERにしっくりくる色だし、どこか脳裏に過ぎる、”昔のRivendell”のようなイメージ、これはどこから来るんやろう?
そんなことを考えながら閉店後のピットで独り酩酊オレ今5杯目・・・思い出しました。
これや。
これはSalukiというフレーム、昔HOMERと双子の兄のような関係で存在したモデルです。このSalukiに、現DARK GOLDによく似た色があったようで、ネットの海で何度か見たこの色がその理由かも、と思いました。
このカラーがソースで、今回HOMERがこの色で塗られたかは聞いてみないとわからないですが、僕の中のGOLD支持派の活動が活発になったのは紛れもない事実です。
「伝統の色 VS センセーショナルな新色」
って言葉でご説明してきちゃったけどもしかしたら
「伝統 VS 伝統」
血統書つきの御前試合だったのではないかと。六眼持ちの無下限呪術と十種影法術、どちらのカラーがお好きでしょうか。
なんならSalukiの方が前身なのでGoldの方が古い色ってことになります。
とはいえそんなこと踏まえても踏まえなくてもどっちでもいいし、最後は結局感覚でお好きな方をお選んじゃうのが良いと思うので、あくまでうっすらと参考までに。
もっと大事なサイズに関して書きます。
基本的には、Rivendellのサイズ決めでおなじみの「PBH」のこの表でサイズを決めてもらえばバッチリです(PBHの測り方はこちらのポストに詳しく書きました)
素足で図るのがポイントです。
が、僕ら日本人の平均的体格からして、HOMERは51サイズと54.5サイズで迷っちゃう人が多発しています。かくいう僕も身長173cm/PBH83cmというまさに狭間の体格。特にこの2サイズはホイール径も変わるし悩んじゃう方たくさんいらっしゃると思います。
もちろんあくまで目安ですし安全に乗れればサイズは自由です。組み方にもよるし組むメカニックの考え方にもよります。
ぶっちゃけどっちか迷っちゃう体格の人はどっちでも乗れちゃうのですが、でも、決めねばならない。
何台か接客や組み付けを通して着地した、僕がおすすめを聞かれたときの現時点の結論は、
★「PBHが 83cm以上」 かつ 「快適なサドルハイト72cm以上」の場合は54.5サイズイケます」
※サドルハイト—クランクの中心からサドル座面までの距離
とご案内することにしています。上記条件どちらか片っぽではなく両方を満たさない時は51サイズの方がしっくりくる可能性が高いしお勧めです。
例えば後ほどバイクチェックするこちらのバイクのオーナーさん。
PBHは83cmある方だったのでPBH表だと54.5サイズも乗れることになるのですが、慣れ親しんだいつものサドルハイトは69cmだったので51サイズにしました。
サドルハイトを意識してフレームサイズを選ぶとバイクを真横から見た時のたたずまいも良くなります。ここをチョンボして背伸びでサイズを選ぶと、フレーム自体は大きくて格好いいのですが、組み上がったバイクを真横から見た時がベチャッとつぶれたルックスになってしまいます。
逆も然りで、普段サドルハイトを水準より高めで乗ってしまっていて、PBHが足りないのに大きなサイズを選んでしまうと、サドルから飛び降りた時にOops、股間をクリティカルHIT。バイクに跨っている様も三角木馬よろしく食い込み、乗り降りよっこらしょな取り回しの悪いストレスを感じてしまうかもしれません。
また、上記のオーナーはHOMERの特権でもあるドロップハンドルやマスターシュバーで乗りたい、というご要望もあったことが、大きい方を選ばなかったもう一つの理由です。
(ランドナー的に”フレンチフィット”って解釈で、大きめを選ぶこともできますが、個人的にはあれは水平に近いトップチューブのフレームで成立するものと思っています(昔のATLANTISとかね)今のRivendellのトップチューブ角度だと、ある程度シートポストに出代があった方が格好いい&スタンドオーバー、ヘッドの高さ的に乗りやすいと思います)
例えばこのオーナーのHOMERがバチッと決まるのは、サドルハイト73cm。そして適性のPBH。バイクのルックスバランスも、乗りやすさ・取り回し易さもしっくり来たものになります。
とはいえ繰り返しますが、上記はあくまで目安でおすすめサイズの選び方です。大袈裟に適正でないサイズを選んじゃうのはダメですが、許容の中で大きめ、小さめをわざと選ぶことはもちろん間違いではないしそれは自由です(あとステップスルーのフレームは例外で、可能な限り大きめ選ぶのアリだと思います)
早速今日裸足でPBHを測ってみてくださいね。まずはRIV乗りたるもの自分のPBHとサドルハイトは携帯のメモにいれておくのはどうでしょう。もしくは暗記。店頭では無償でPBH計測いたします、さらに身長も加味して適正フレームサイズをご案内しますのでお気軽にお声掛けください。
自分の中でHOMERがHOTなので長くなってしまいましたが他モデルにも使えるサイズのお話でした。
最後にバイクチェック。GOLDのHOMER第1号のこちらがとっても良い感じなので細部触れます。
*RIVENDELL* A. homer hilsen (51)
PBH:83cm サドルハイト69cm
新色DARK GOLDに一目惚れしてしまったオーナーのHOMER。
SAM HILLBORNEよりさらにトップチューブが短く、軽量なHOMERは乗り味的にも重量的にも「ドロップハンドルのRivendell」に選ばれやすいフレームでもあります。
ブレーキレバーはシマノの名品R400、美しいグリーンのバーテープは実はセラックニスを塗る前はシアン、水色のバーテープだったりします。最初からグリーンのバーテープを選ぶより鮮やかな緑を狙いたいとき、また退色していくと元のシアンがのぞいてきてとっても良い表情に育っていきます。
ホイールに関しては、ど直球で行くならリムはA23です、軽くてコスパもよくって見た目もクラシックでRivによく合う、のですが
今回はその後継機のQUILにて。派手目のグラフィックのシールは剥がしてあります(簡単に剥がせます)。A23と似たような重量なのにカッチリ硬くてより行動的なホイールが組めます。
変速レバーをWレバーにできるところもHOMER(とROADINI)の特権。手元の変速よりもちろん不便です。が、ハンドル周りのスッキリ感と、操縦しているぞ!という操作性は僕も好きです。もしも乗っていく中で不便を感じればバーコンかステムハンドル周りにシフター移しましょう。
余ったバーテープの端切れを使って、
チェーンステープロテクター。これ、この方法をやり出したの多分自分なんですが、正直意味はないしやる必要はありません。「やった方がいいんですよね?」とお聞きいただくことがありますが、Rivendellはきっとチェーンで叩いた傷や錆や油汚れも美しくて、そのバイクを嫌いになる理由なんかにならないと思うし、やってもやらなくても良いものです。今回はオーナー喜んでくれるかな、とやりました。
(同じくしてこのスタンドとクランクがぶつかる所に巻くのも一緒です。これは本国の誰かがやってて真似したのが最初だったと思いますが、クランク30回ぶつけたらバーテープが破れて下から金属が出てくるので無意味です。イヤリングと一緒で付けたら可愛いけど無くても生きていける、みたいな。「クランクを守る」というよりオーナーのお気に入りポイントになったり愛着が湧いたり「クランクで敗れたテープが美しいね」という意味の方が強いかもしれません)
太RIVや山道を走るRivendellにはトリプルクランクでめちゃ軽ギア比を仕込むことが多いですが、この方はその役割をAPPALOOSAで果たせるのでこのHOMERは軽量軽快、スピーディーにダブルクランクの選択。やっぱMIGHTY TOURは一番好きなクランクですね、、かっちょいい。
ハブダイナモで夜道も明るく、サドル下のデカ目のサドルバッグにポイポイ荷物やバッグを放り込んで自分は手ぶらで軽快に流すイメージ。夏はビーサンで乗ったっていいですね。
オーダーありがとうございました、この方のHOMERを組んでいくうちに僕も乗りたくなってしまった・・お次はマスターシュバーかアルバスターシュバーにカスタム?またお店でカスタムのお話しましょう。
HOMER、店頭販売分は各店まだ少し在庫ございます。とっても良いフレームなのでぜひお店で実物を見てくださいね。
長いのに最後まで読んでくれてありがとうございます、タニでした。