上馬店のタニです。
先日のバイクチェックの時に、冒頭で映画の事を書いたら常連さんに
「ああいう導入も書くんですね」
とイジられてめちゃくちゃ恥ずかしかったです。ぶっちゃけちょっと格好つけてたし、背伸びしていたので図星だったんだと思います。
なので今日は自分に正直に、どんな映画よりも面白いと思うものにします。
格好つけてすみませんでした。本当はこっちの方が好きです。
今日は２台のお客様のバイク。何かこの２台には共通点を感じたのでパックでご紹介します。
*SOMA* wolverine (52)
サンフランシスコはSOMAのモンスタークロス＋アドベンチャーフレーム。実はこのクリーム色にカフェオレ色のロゴの素敵なフレームは、
カスタムペイント、オーナーが考えたオリジナルカラー、黒じゃなくてブラウンロゴっていうのがめちゃくちゃ素敵だと思いました。COOK PAINT WORKSのお仕事。ちなみに元のカラーはこんな感じでした。
バイクキャンプやツーリングを楽しむオーナー。キーワードとして「荷物が積めること」。
元々はSURLYの名車PACER（今はなきロード寄りのモデル）にお乗りでしたが、SURLYの中でスピーディなPACERはダボ穴も少なく、キャリアやラック、荷物を運ぶことは少し苦手なフレームでした。
遊び方、使い方がバイクの許容を上回った時、新しい愛車のアイデアが湧いてきます。
ドライブはWHITE INDUSTRIESのコンポーネントで、ギア板は前１枚フロントシングルにて。ヘッドやクイックの差し色オレンジもオーナーの直感。
リムブレーキ、（SURLYにしては）細身のタイヤクリアランスのPACERとのコントラストで、ディスクブレーキ、MTBサイズのタイヤを。林道やキャンプ場、今想像できる遊びに行き先をイメージして。
（これも自転車あるあるだと思うのですが、こうやって初号機にない部分を持った二号機を組むと、役割分担がはっきりして初号機を改めて好きになって両方乗っちゃう、というのがあります。たまにジュドーがゼータで出ちゃう時の感じです。きっとPACERも楽しんでらっしゃるんだろうな）
前のバイクで余ったバーテープをお持ち込みいただいてチェーンステープロテクターにしたり。
ペダルは世界の三ヶ島。ビンディングじゃなくって、サンダルでもブーツでも、目的地到着して降車してからも想像して。このALL-WAYSは海外や輸出では人気ナンバーワンだそう。
三ヶ島ペタル、いつも思うのはベアリングの滑らかさに対してのコスパが尋常じゃないないってこと。同価格帯のペダルよりもツッルツルに回るので、ぜひ店頭で触って比べて欲しいです。これはもう作る側のプライドというか、譲れないものというか、”回転の滑らかさ”っていうのは絶対に三ヶ島ペタルさんのてっぺんの意識なんだと思います。
ちなみに
（現在は↑こんな感じで楽しんでいるよう。フルアーマーめちゃ格好いい）
お次のバイクはこちら。
*CRUST BIKES* bombora (M)
お任せ構成でご依頼いただいきました。これよりも軽くて速くてでも荷物は積めないバイクもお持ちのオーナーだけど、スポーツカーにはできないことができるCRUSTの快速SUV。
オマカセはプレッシャーでもあるけれど、気に入ってもらえるよう頭の中でその方の好みを反芻して、熱が出るまで考えます。喜んで欲しいので！
SWIFT INDUSTRIESのサドルバッグとPASS AND STOWのフロントラック、このバイクの２大キーワード。
鈍重なツーリングバイクより走るし進むけど、遊び道具はしっかり積めるように。
最近ふと思うのは、こういったフレームが旬だし、ブルーラグにはいくつも選択肢があるので忘れているけど、自転車にこれだけ荷物積めて、「自転車以外の目的」で漕ぎ始められるバイクって、実はすごいと思う。自転車乗ってその日は自転車だけ、じゃない自転車。
サドルやシートポストお手持ちのパーツを活かしつつ組みました。もしお持ちのパーツ、余ってるパーツ、昔乗ってたバイクなんかがあったら新車に組み込めるかどうかご相談ください。活かせるものは活かして、その分他にコストを向けるのも良い組み方。
通称世界一格好いい手作りのラックPASS AND STOWはライトマウントとめちゃくちゃ格好いいエンブレムに目が行きがちですが、実は中腹のレールにパニアバッグも装着できます。
車載や輪行を考えて、トラブル少ないワイヤー式のディスクブレーキ。油圧式が不便があるとは言いませんが、気を使う項目はちょっと減ります。
ヘッドセットは最近でた新色のバイオレットではなく、少し前の限定色だったパープル、比べると違います。当時買っておいたオーナーの先見の明。やっぱ持ってたら未来使うんだな。
アメリカンパーツは機能性能だったり、仕上げの美しさ格好よさだったりですが、僕はこの価値が不変であること、ずっと持っていたくなることも魅力だと思います。
フロントシングルでドライブ作るとき、普段はいかに軽いギアで不便がないかを気にして大きめスプロケを仕込むことが多いですが、この方は自分の使うギアを把握していたので目一杯軽くではなくご指定通りに。こういうニュアンスはオマカセではできないのでセッション、オーナーと話し合って決めていく部分です。
ちょっとしたお買い物ライドにも、２連休にも、長期休暇にも使えて、私服でもサイクルウェアでも、なんなら水着にビーサンでも乗れるバイク、SUVみたいなバイクを想像しながら組みました。いっぱい乗ってくれるだろうか、朝選ばれるだろうか。
本日は以上２台のご紹介でした。どちらもSWIFTのバッグで積載できて、休日を楽しくするようなバイクってところが何か通じた２台でした。楽しいお仕事本当にありがとうございました。
お持ちのバイク、過去のバイクにない役割を背負ったバイクも、初めてのバイク、ファーストバイクもどちらも得意です！頑張って組むのでご相談下さいな。
