2024年のMADE会場、ULTRADYNAMICOブースに展示されていたR-werks EVOO 29er。
ロニーのサイズだと大きすぎて試乗はできず、ロニーが作る前作のAlumalithが最高に良かっただけに、どーーーしても乗ってみたかった。
で、我慢できずにオーダーしてしまって、待つこと一年。夢が叶いました!
こちらがサブが組んだR-werks SaVOO 29er。
「R-werks EVOO 29er」で検索してもロニーのバイク以外に出てこなくて、正直どう組むかめちゃくちゃ迷った―。
レア過ぎてあまり語られてないこのフレームをサブなりの言葉でお伝えできればと思います。
まずはフレームの基本情報から。
Alumalith同様に、このR-werks EVOOもFrank the Welderによるアルミ製のハンドメイドで生産数はごく少量。
フレーム:Dedacciai 7005アルミニウム
フォーク:コロンバススチール。
タイヤクリアランス:700×45-29×2.4
エンド:QRでフロント100、リア135
シートポスト:27.2
ドロッパー:対応
モダンなXC MTBレースジオメトリーを採用しつつもリジット&リムブレーキ。
(シートが立って、ヘッドが寝てます)
後でも触れますが、ダウンヒルだけでなく登りもこなせる軽快なジオメトリーなんだと思います。
ロニーはビンテージパーツをうまく取り入れてカッコイイ自転車を組みますが、それは自転車歴がとっても長いから自然と古い部品を持っていて思い入れがあってのこと。
(中古も探すみたいですけど)
その実は最新のコンポや軽い部品、速いバイクも分け隔てなく大好きだそうで、このEVOOも決して懐古主義的ではなくて、ロニーの歩んだ自転車人生から必然的に生まれた“今だから必要”な魅惑のフレームだと思う。
(その辺のことはブログに書いてるのでご興味あれば飛んでください。)
Alumalithも即完売だったし、3年たつ今でも問い合わせを頂くぐらいなんで、このフレームも同様になる予感。
このフレームをハンドメイドするFrank the Welderについても知りたくて、ロニーに直接質問しました。
「なぜ、ロニーのフレーム作成をFrank the Welderに依頼したの?」
ロニーの答えが以下
「僕が“Frank the Welderにフレームを作ってもらっている理由は、彼がYeti時代の象徴的なバイクだけでなく、90年代のコネチカットで“Spooky”という小さなブランドも手がけていたからです。
そのブランドのエトス(精神)を復活させたくて、しかもフランクは僕の近くに住んでいて、僕のバイクを作ることにも意欲的なんです。
彼はおそらく世界で最も有名なアルミフレームビルダーで、そんな彼に僕のバイクを作ってもらえるのは本当に光栄なことです。しかも、とてもいい人なんですよ。」
ロニーが信頼するFrank the Welder。
今年、MADE出張と合わせて訪れたMarin Museum of BicyclingにてMTBの殿堂候補にも選出されているレジェンド級のビルダーさんです。
(関連記事)
ダウンヒルやエンデューロレースの分野で高い評価を得ているMTBの老舗ブランドYetiでのフレーム設計のキャリアを経て、数えきれない数の(マスメーカーのバイクに納得いかない)プロライダーへハンドメイドフレームを供給し、コネチカットでSpookyという小さなガレージブランドに加わる。
Frank the Welderは、Spookyにて“自分たちが乗りたい本気のバイク”つまり“工業製品ではなく、武器としてのバイク”を制作した。
レース現場の声をそのまま形にする攻撃的なジオメトリーと攻めた溶接の軽量アルミフレームは、マスメーカーにはマネできな自由な発想とスピード感で生み出されるエッジの効いたもので、当時のレースシーンで大きな存在感を示していたそうです。
めっちゃすごい人!反骨心とクリエイティビティがカッコいい!
(ちなみに、Shimano の 2 本指ブレーキ レバーの最初のセットもFrank the Welderが製作したらしい!!マジ?なんで?)
Frank the Welderは、相当な数の本気のバイクを作ってきたアルミフレームの第一人者なんですね。
その彼が、ロニーの依頼の元フレームの設計から関わってハンドメイドされたのがR-werks EVOO 29erです。
直にオーダーしてもなかなか作ってもらえるチャンスすらなさそうなレジェンドビルダーのフレームがロニーの気持ちも乗った形で手に入る。
レアすぎやしませんか?
サブはもう既にめちゃくちゃ好きです。一生持っておきたいフレームの1つです。Alumalithもだけど。
調べれば調べるほど、文章が伸びていくので、基本情報は一旦この辺にして。

早速、EVOOでバイクパッキングライドに行ってきました!
そもそもパッキング用途のバイクではないので、ダボ穴がないんですがバックパックを組み合わせて行ってきました。
(EVOOに限らず最近は、バイクが軽くなってライド自体も楽しくなるバックパックmixスタイルのパッキングが調子いいのでは?と思っています。)

個人的にカーボンバイクに乗らなくなってからは、自転車の軽さに対する執着みたいなものは無いんですが、やっぱり軽いのは良いですね。
荷物積んでてもめちゃくちゃ登る。
この辺は、軽さだけでなくリアがコンパクトでシートが立っているジオメトリー的恩恵もあるんだと思う。
「ロニーの要望とFrank the Welderが実戦で培ったノウハウが詰まってるだろーな」なんて想像しながら。

キャンプ場に着いてからは、荷物を下ろし、もちろん裸の状態でも走りましたよ。
グラベルがちな林道を登ったり下ったり。もうとにかく軽い速い。登る登る。
MTBでバイクパッキングライドに行くと、下りは楽しいけど、何でもない平地の巡航とか、ダラダラと長く登る道が楽しくないんですが、EVOOはだいぶ良かった。
登りについては、今回の組みつけのポイントでもあるフロントダブルもめちゃくちゃいい仕事をしてくれたと思います。
昨今フロントシングルで組みがちですけど、ダブル便利!カッコいいし。
肝心の下りもすこぶる良好!
AlumalithのWheel径が27.5でEVOOが29er。しかも今回ドロッパーを入れなかったので、車高が高くて怖さが増すかな?っと想定してましたが、今回のルートでは一切怖さもなく。
むしろ29erの走破性からくる恩恵がデカい。割とどこでも突っ込んでいけた感覚。
車輪が大きくてコントロールし難いとかも感じなかった。飛んだり跳ねたりする人にとってはあるのかな?
サブは体も大きくないし、なんとなく食わず嫌いしてた29erでしたが、今更目覚めるとは!自転車っていつまで経ってもその人ごとに初めての経験があって楽しいですよね!
ネガティブポイントを強いて言うなら、やっぱりシートから降りたトップチューブのマタギが高いので、アクシデント時には怖さがあるかも。
そして、実はこの日は、雨天ライドでしたが、リムブレーキも全く問題なし。
PAUL motolite V-brakeはAlumalithでも使っていて、信頼してたのですが29erになってどだろう?っていう小さな心配はクリアになった。
で、関係ないけど、フロントフォークがかっこ良過ぎでしょ?
このタイヤクリアランスを確保するための華奢で色っぽい膨らみの曲線からストンと落ちる直線が素敵。ハンドメイドでしか見ないと思う。
鉄だけど細いんで重くないです。
などなどと、、
偏愛もあって褒めてばっかりで、嘘くさいかもしれませんが、まっすぐ目を見て堂々と言えます。
このチャリ買ってよかったー!うれしー!カックイー!
R-werks EVOO 29er













