Bluelugで日々組み立てられる手組みホイールの針金のところ(スポークといいます)は98%くらい、アメリカはカリフォルニア州はサンノゼにファクトリーを構えるPhilwoodのスポークを使用して組み立てられています。

頭の先っちょにはひっそりあの「P」ロゴが施されているのはご存知でしょうか。

Pロゴは現行のものですが、ロットによっては首付近に「Phil」の刻印が入っているタイプもあります。

しれっとこの2本のスポーク、実はモデルが違うのですがおかわり頂けるでしょうか。

Pロゴ(シルバー)の方は根本から先まで2mmの均一の太さであるストレートタイプ

Philwoodのスポークを使用したホイールの95%くらいはこちらのモデルが使われています。

お求めやすいお値段且つ耐久性も申し分ない定番モデルです。

Philロゴ(ブラック)の方はハブに近い方の端が2.3mmと少し太く、それ以外の部分が2mmのシングルバテッドというモデル。

負担のかかる端だけ少しファット、金属疲労で寿命を迎えたスポークは車輪の中心の方の根本からポキンと折れるのです。

通常のストレートタイプでも普通に乗る方には充分かと思いますが更に耐久性に振ったスポークなので、車輪への負担が大きい方へうってつけ。

主に体格の良い方、ツーリングや普段のお買い物で荷物が多い方、そしてはちゃめちゃな負担のかかる固定ギアのバイク(主にリアホイール)にうってつけなのです。

スポークが「折れない」というのも1つですがホイール自体の歪み、フレの出辛さにも少なくない影響があります。

 

1点注意なのが少し太めに作られた特製スポークなだけあって、ハブの組み合わせを少し選びます。

スポークを通すハブの穴は細身に作られているものも中にはあるので、トラックバイクであれば競輪系のハブ全般やロード系のハブなんかだと2mm以下のスポークまで対応のものがあり、このシングルバテッドが通らないことも。

(左:Philwoodハイフランジトラックハブ 右:DURA-ACEスモールトラックハブ、お分かり頂けますでしょうか)

ちなみにPhilwoodのハブはどれもヘビーデューティーなことを想定して、軽量化に振られたプロトラックハブも含めてシングルバテッドに対応しています。

ある意味Philwoodハブの特権のひとつでもあるスポークなのです。

ちなみに軽量さと耐久性のバランス型であるダブルバテッドなんてタイプもあります。両端2mm、中間1.8mm。軽さを意識したバイクにはこんな選択肢もあり。

バイクによってスポークも選択肢を用意してくれているPhilwoodの柔軟さ。

やはりスポーツバイクシーンにおいては少数派である「耐久性」に振ったシングルバテッドを作り続けているところには、個人的にグッときてしまう、アメリカ!!!なポイントなのです。