4人で山に籠って撮りまくったこの動画は見てくれましたか?

あとこれも。意外にもCRUSTに乗って遊ぶ動画にちょこちょこ出させてもらっている私。

お店でも接客させて貰う事も本当に多くなり、所有欲と興味がムクムクと膨れ上がっていました。

手前の話になりますが、買ったは良いが組めてないフレーム…なんて贅沢な状況でもありました。これ以上増車するのはマジでヤバい。色々ヤバい。

でもそんな折、前出の動画に出ようよ行こうよのお誘いがあって、あーもうタイミングバッチリじゃんかよと、

気になっていたCRUSTのあのフレームにとうとう手が出てしまいました…。なんとかなれーッ

CRUST BIKESのSCAPE BOT“スケープボット”。正式名称はスケープゴートになるのでしょうか。

*CRUST BIKES* scapegoat(S)

*CRUST BIKES* scapegoat(S)

*CRUST BIKES* scapegoat(S)

現在のモデルはRRobotsというマットさん(CRUSTのボス)の友人でありアーティストのアドバイスとグラフィックが配されたインパクト強めのフレームです。

店頭完成車でも組ませて貰いましたが、一目見た時から俺が買わなきゃいけないフレームだなって漠然と思っていました。セールストークじゃなく、100%フィーリングです。

毎度そのフレームについて下調べという名の歴史の掘り下げを行うのですが、このフレームは意外にも初期から存在します。

Via crustbikes

CRUSTの処女作であり代表作のEVASIONの次にリリースされたモデルで、2016年にリリースされたそう。

Via wander goat travels

このバイクの生みの親、GOATさん、マットさんとネパール旅行に行った人でもあり、FAT タイヤのバイクでツーリングする旅人だったのが様々な写真で見受けられます。

その彼がこのフレームの一発目のテストライダーであり、このフレームの発案者だったようです。

彼らの過去のブログ等を読み返しながら、言葉悪いかもですが良い意味で狂ってました。

「FATタイヤにした場合に起きるチェーンライン問題」、「FATタイヤにした際のQファクターの違和感について」、

「FATタイヤと外装ギアの関係性、チェーンとタイヤが触れる問題の解消法」「ケツの痛み」などなど…。

FATタイヤに対する熱がすんごいポストばかりでした。と同時に、

それまで流通しているFATバイクに思う所が沢山あったんだなと感じる貴重な情報でした。

SURLY PUGSLEYのおかげで今フレームが生まれたとも。

特殊規格を使わずに、出来るだけ既存のパーツを使って組めるFATバイクは作れねーのか。

それに対しての熱い思いがSCAPEGOATには詰まっている事が分かりました。

もしかしたらマットさんとGOATさん的には、

EVASION→ダートツーリングバイク。

SCAPE GOAT→FATツーリングバイク。

が作りたかったのでは…という考察をしました。

そんなこんなで生まれたSCAPEGOATはシレっとデビューするわけですが、

EVASIONの鮮烈な初登場の衝撃(極太タイヤのダートツーリング)の方が強すぎて、

それよりも極太タイヤが履けるのにも関わらずちょっとだけ影が薄いデビューだったような気がします。

(ちょっとTOO MUTCHな仕様と思われたのかも知れません…。)

 

この投稿をInstagramで見る

 

bikepacking sucks(@bikepackingsucks)がシェアした投稿

僕らBLUELUGでも取り扱い始めた時、「BIKEPACKINGSUCKS」なるアカウントのライダーがこのフレームを華麗に乗りこなしていました。

27.5インチのMTBタイヤを履いてデカいフレームを乗りこなすこの動画たちにクラっと来た人も多いのでは。

自分にとって、このバイクはこう乗っても良いのかを知れた好例(アクティブに乗る事)でもあり、

EVASIONとの乗り物の違いに気付かされた出来事でした。

安定感のあるツーリングをしたい。→EVASION

めちゃ遊んでツーリングしたい。→SCAPEGOAT

レヴューでも書いたこの考えに自分が至ったタイミングでもあります。

*CRUST BIKES* scapegoat(S)

前置きが長くなりましたがそんなこんなで自分の手元に彼がやってきました。

実は組みたかった自転車が他にもあり、そのためにパーツを集めていたところでもあり、

どちらのバイクもホイールなどのパーツ規格が同一だったので、載せ替えて楽しもうなんて思いもありました。

いざ組んで乗ってみて…、チョイ癖ある乗り物かなと思っていたけど普通にスムースに進むし快適じゃん。なんだこれ?

見た目に反してMTBっぽさよりも、ツーリングやコミューターに近い親しみやすさを乗り心地から感じました。

時々古いマウンテンバイクの修理で、試走時に劇的に乗り心地良いフレームに出会う、そん時の感じに似たフィーリングです。(一般的にはそんなシーンないですね。)

オフロードに入ってみるとそのスムースさに走破性がプラスされ、スピード感にもブーストが掛かります。

妙な安心感もあるのが逆にスリリング。どのギャップも何とかなりそうと思ってしまう魔術に掛かるのだけ注意した方が良いです。

一緒に行ったカーネルがEVASIONに乗っていたので、乗り比べて比較出来たのがより分かりやすかった。

EVASIONの方がペダル位置が低めなので足つきの良さや低重心で安心感を得れるのですが、逆に地形にスレスレなのがヒヤッとする…人もいるのかなと感じます。(自分がそうだった。)

代わりに上り坂を軽いギアで進んでいくとき、EVASIONの方が何だか楽だったような気がした…。なんでだろ?

SCAPEBOTに話を戻して、矛盾しているようだけど安定感と遊べる乗り心地が共存しているバイクだなって印象を受けました。

思い返してみると、SURLYやALLCITYとかでそのポストにあるバイクっていない気が…。

ECRとかGORILLA MONSOONだと少しツーリング気味で、KARATEMONKEYだとマウンテンらしさが強い。SCAPEGOATは丁度その間に居る感じがする。

しかもFATタイヤに出来るおまけ付き。

意外にも唯一無二な乗り物だったんだと知れたら、このバイクを持っていたい気持ちがより強くなりました。

*CRUST BIKES* scapegoat(S)

*CRUST BIKES* scapegoat(S)

*CRUST BIKES* scapegoat(S)

強いてアレだったなというところを挙げるとするなら、パーツを張り切り過ぎた…。

いや、このパーツは元々違うバイクに使う予定だったからSCAPEGOAT用で選べてないんだ。という言い訳をします。

ELECTRICなSHIFTだからBOTっぽさも際立つぜ…なんて思ってたけど、

全然土臭いパーツで組んだ方がこのバイクをもっと楽しめる気がした。

*CRUST BIKES* scapegoat (M)

あと、GOATさんがFATタイヤに執着していたのが引っ掛かってるのと、単純に以前組んだFATタイヤ仕様がすごい印象的だった。

今度組む時はそんな仕様で生まれ変わらせたい。

毎度掴めそうで掴めないんだけど、CRUSTのフレームって何なんだろうっていつも思います。

というか、接客する時に上手く説明出来ないんですよね。バイブスなんですとしか言いようがなかった。

でも今回こうなのかなって思ったことが一つあって、EVASIONとSCAPEGOATって既存のバイクをキメラ化させてた経緯があって、

満足しているバイクにらしさをブッ込んでみたらそれもそれでアリじゃんみたいな…。んん、伝わらないな。一言で纏めれる言葉と語彙が欲しい。

VIA crustbikes

漠然と頭に思い浮かぶのは、「TRYしてFUNになったBIKE」って感じなんです。伝わるかな。

SURLYのバイクが色んな人に向けて味を調整して作られているとしたら、CRUSTはそれを元に、もっと刺激が欲しい人、遊び足りない人に向けて作っているような、

そんな風に乗って思えました。

まだ自分がCRUSTイズムに追いつけてないので恥ずかしいくらいな言葉の羅列ですが、間違いなく言えるのはそのCRUSTイズムは必ずある。多分。

SURLYの自転車にのめり込んだ自分がCRUSTに見出せそうな“らしさ”の探求が止まりません。歯がゆいもどかしい。

CRUSTを探求する会をセント君会長でやらないか。

それでは。