我がボッロボロのZOのメッセンジャーバッグ。
一昨年、先輩が手放すというので受け継ぎました。仕事の日は毎日これです。旅行に行くときも結構これです。
前職はメッセンジャーだったので、このカタチのカバンは切っても切れない縁があるというか、妙な愛情が湧きます。
なので背負い方をお店で聞かれたりすると、聞かれても無い雑学など交えて倍ぐらいの情報量で接客してしまう事もしばしば。
以前、メチャクチャ重いものを背負って自転車に乗る機会がありました。その時、
「なんだよこの疲れるカバンはよ…」とため息のような独り言を呟いていました。
ハッとしました。好きで背負ってるものにめちゃ文句言ってるじゃん自分!!と。で、何でわざわざこのかばん背負ってるんだろう??って考えてみたんですよね。
別に登山リュックとかでも良いし、そっちの方が片方の肩ばかりに負担が掛からなくて調子良いのではとか思ったり。
オ〇ジン弁当でステーキ弁当買ってカバン入れたらソースダダ洩れるし、体に巻き付けるように絞っても段々ずり落ちてくるし。
実は意外に良い所って無いバッグなんじゃないか…。とちょっと悲しくなったんですね。
で、メッセンジャーの時、バッグを背負って仕事をしていた時の事を思い出してみたんですが、今度は不思議と悪い所が全然思い浮かばなかった。
荷物はすぐに取り出せる。間口が広いからなんでもボコボコ入れれる。雨でも中の荷物は濡れない。前傾姿勢だから背中に巻くというよりも背中に乗せているから重さを感じづらくて、中の荷物がこぼれない。枕になる。
多くの荷物を背負って速く走る、仕事するためのカバンなんだなと思うと、確かにデイリーユースで使っている時の少しのストレスは妙に納得できるというか、
自分がメッセンジャーだったから、仕事時とデイリーユースのギャップに気がついてしまったわけですね。
で、更に思い返して自分がメッセンジャーバッグを初めて背負ったきっかけを思い出してみた。
東京中で走り回っていたメッセンジャー達が超カッコよかった。その人達が背負っているそれぞれのバッグが全てカッコよく特別に見えて、
そのカバン達は仕事の一部で体の一部で、道具であり心臓であり、正装であって私服だった。
その人のアティチュードが映し出されている気がして、それに憧れていたからだったなと。
日に日に育っていくというのもミソ。今でもまっさらなバッグを背負うと気恥ずかしく思ってしまうのはメッセンジャーだった頃の名残なのかもしれない。デジも言ってた。
カバンでヒトを覚えたし、カバンで自分を覚えて貰えた。
一通り思いを巡らしてたどり着いたのは、「生活に馴染んじゃったから背負っている」という着地点。
使い心地背負い心地以前に、疲れちゃったからデイパックにするか…という気持ちが起こらなくなっています。
もちろん違うバッグを背負う時もあるけどね。
ちょっと重すぎると痛くなる肩も、ずり落ちて来るカバンを直す所作も、毎度乗る度に締め上げるベルトも、
使い続けて得れる感覚がふと愛おしいです。
たかがカバンの種類ごときなのですが、デイパックを背負っている時には感じない緊張感と少しの疲労感がありながらも、
それが自分の体に染み付いて使い続けている、というのが正確な答えでしょうか。ハマる人は多分抜け出せないのかも。
レヴューというよりかは昔話になってしまったけど、BLUELUGはカバンの一つの形としてメッセンジャーバッグを作っています。
しかも超伝統的で超普通の形、しかもワンサイズ。接客する時に毎回お客さんと一緒に背負って思うんですがホントに丁度いい、落ち着くサイズ感です。(オーダー会でついオーダーしてしまった。)
登山用バッグ、ショルダーバッグ、ボストンバッグ、デイパック、レコードバッグ、トートバッグ…。
世の中にはたくさんのカバンがあってそれぞれに用途や使い心地の違いがあって、それの好みは十人十色ですね。
そういえば、
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こんな催し物に僕らも首を突っ込まさせていただく事になりました。俺のZOも置かせてもらいたいけどあれは売れない…。
お時間ある方は是非ー。