このカルチャーにおけるいちウェーブである”シングルスピードマウンテンバイク”用のリアハブです。
なにが特別かって、トラックバイク、シングルスピードバイクとは異なるワイドなギア位置で、完全にシングルスピードバイク用!
ギア付き用のハブでシングルスピードするのとはまた異なったシンプルさ、そしてなによりも”潔さ”があります。
いろんなことができるという多様性が詰まった機能美もありますが、ひとつのことに特化しているという機能美は前者のそれとは異なる輝きを持ちます。
このシングルスピードマウンテンバイクを「禅」と形容するアメリカ人が居ますが、言い得て妙、乗ってみたらわかるそのカルト的な乗り味。。。
その昔、ギア付きのマウンテンバイクのリアエンド(後ろ車輪がハマるところ)をシングルスピード向けの、
トラックスタイルのリアエンドに溶接し直して、よりシングルスピードの組み方に特化したフレームにするというカルチャーがありました。

このエンドを溶接で剥がし取って、

“コ”の字型に開いているエンドに溶接し直すってこと。
このトラックスタイルのエンドにすることで、車輪を後ろ側に引っ張りチェーンを張ることが容易になるという訳です。
(ギア付きの場合はディレイラーがそのチェーンを張る役目を担っています)
このエンドになることによって前者のエンドでは起こり得なかった、車輪の固定がズレ易いという現象が起こります。
ズレないよう強力に車輪を固定出来るようにと2本のボルトで固定するボルトオン方式がとられています。
(クイックリリースの場合、人によっては固定力が足りず車輪がズレる)

そんなボルトも普通のボルトではなく、”ファンシーボルト”と呼ばれる面が取られた特製。(しかし爪汚いな)
そして真鍮製のワッシャーもフレームに当たる面はギザギザ加工が施されて、ズレ辛いようにと工夫されています。
んでこのワッシャーすら格好良いというね。。。
またフリー機構(漕いでから脚を止めた時にチリチリ鳴る部分)も、ギア付きハブの場合はハブにその機能が同化していますがWORDハブはその部分は別パーツ。
white indやACS、profile等のメーカーのチリチリ部分と一体化したコグ(ギア)がそれにあたります。
なので複雑な機構であるチリチリ部分が壊れたらそこだけを容易に交換可能というわけ。
ギア付き用のはチリチリが壊れた場合、最悪一体化しているハブ本体を諦めなきゃなことがあります。

(上:white ind Mi5 下:Paul word hub)
またギア付きハブをシングルスピードとして使う際には左右のスポークの張りがどうしても構造上左右で不均一になります。
このスポークを通すフランジ位置が左右非対称だからなのですが、WORDハブに関してはこの左右位置が左右対称で、
スポークの張りが均一出来、ヘビーデューティーに耐えられる車輪にすることが出来るのです。
“ギア”という概念を失うことによってシングルスピードの性能をより高次元なものにすることが可能。

でもギア付きの方が結果早く走れるのは言わずもがなで、
そんな不便な目に遭いつつもシングルスピード化したい!!と思う人が居るのはシングルスピードバイクならではのカルト的な”楽しさ”に他ならないわけでして。。。
乗ってみたらわかるそのカルトな側面。是非あなたもシングルスピードマウンテンバイクに乗ってみてはいかが。
なおWORDは”Wacky Onespeed Rear Device”の略、
またこの”シングルスピードマウンテンバイク用のハブ”というくくりの中ではこのWORDハブが初だそう。
そんな歴史的にも大きな意味を持ち、今なおカルト的に愛されるPaulを代表するプロダクトなのです。


