Paulのブレーキはタイプ別に網羅されていますが登場回数が少なめなのがRacer brake。

一般的には”キャリパーブレーキ”が適合するバイクに取り付けられるブレーキになっています。

(それぞれロゴが地味に違うって知ってました?)

その中でも少し特殊なのがRacer brakeとRacer “Medium”の2種類が存在するというところ。

何が異なるかと言いますと “股下” 。

*BLACK MOUNTAIN* road (53)

“Racer medium”の方がブレーキシューまでの距離(股下)が短く、

BlackMountainCyclesのROADSURLYのsteamrollerのような〜38Cくらいがタイヤクリアランスのキャリパーブレーキのバイクに対応。

*CRUST BIKES* malocchio (49)

“Racer”の方はブレーキシューまでの股下が長いのでタイヤクリアランスを確保出来て、

RivendellのHomer HilsenRons bikesのAluminusのような〜47mmほどのタイヤサイズのフレームに適合。

(僕らの馴染み深いDia-compeのBRS 101と202の関係性と思って頂けると)

そして谷さんのこのRacerのブレーキにまつわるストーリーが個人的には好きです。

何回か繰り返して見るくらいには。

 

キャリパーブレーキが適合するフレームに合うブレーキではありますが、

かたちとしては”センタープルブレーキ”というクラシカルなブレーキタイプに属するRacer。

 

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こちらが元ネタ、過去の名作であるMAFACのRACER。

今でもコアなファンからは愛されるクラシックバイクにおける銘品、ビンテージパーツのマスターピースといえます。

単に形を模倣したわけではなく、削り出しで精度高く作られたボディはたわみも少なく、がっしりと止まる力を伝えることが出来るのは流石のPaulクオリティ。

Paulの他製品と同じく、細かな補修部品は全て入手可能ですしボルト類は汎用的なものが使えるつくりになっているので、万が一ココのパーツどっかやっちゃった!となっても安心です。

*RIVENDELL* roadini (54)*BLACK MOUNTAIN* road (53)

このクラシカルな形だからこそ叶えられる副産物のひとつとして、ブレーキ本体の股上が浅いことから、フルフェンダー類を取り付けるクリアランスをも生み出せるというのがポイント。

これによって通常のキャリパーブレーキでは実現できない、ちょっとのクリアランスの余白によってタイヤが少しだけ太く出来る(かもしれない)ことも。