本来ギアードにしか出来ないバイクをシングルスピードカスタムするのは少し大変です。
シングルスピードにする上で外すことになるリアディレイラーの役目であった、チェーンをどのようにして引っ張るのか?というのがポイントになってきます。
大きく分けて3箇所でそれを行います。
①BB(PhilcentricやVO等)
②ハブ(white indのeccentric)
③チェーンテンショナー(画像はSURLY、どうやら廃盤らしい)
基本的にはこの3箇所のどれかにシングル化専用のパーツを仕込み、シングルスピード化の夢を叶えることが出来ます。
上2つはシングルスピード特有のあのスッキリとした見た目が手に入ると共に、それによってパーツの組み合わせ制限というのが発生します。
①BBの場合はチェーンテンションと組み合わせクランク、チェーンリングの制限。
②ハブの場合はタイヤクリアランスとブレーキ位置の制限。
ギアードのバイクをシングルスピードにするというのはそれなりの犠牲を伴ってはじめて実現可能、いわばno pain no gainなカスタムなのです。
その一手間故にロマンも併せ持つパーツなのだ。という見方もあるのですが、
やはり余計なリスクを負いたくないというのもこれまた、いきものの サ ガ。
Paulのmelvinはそれらのリスクを負わずに簡単にシングルギアへとコンバージョンが可能な選択肢です。
機能的に失うものはありません。
強いて言うのであればチェーンテンショナー特有の「パーツついている感」がどうしても拭えないのですが、いちパーツとしての格好良さの1点突破で許せてしまう自分がいます。
これが使いたくてシングルスピード化するぜ!なんて方も一定数いらっしゃるカルト的なパーツなのです。
また他のシングル化の選択肢にはないmelvin特有の大きな特徴が1つあります。
このsusieみたく。おわかり頂けるでしょうか。
フロントギアが2枚ついているのですがシングルスピードの垣根を超え、フロントダブル/リアシングルの2×1として使っているのです。
またこのsusieの場合はギアを変えてくれるフロントギアの変速機は付いていないので、変速は自らの手でチェーンを掛け替え、変速を行うアナログ、ネイキッドスタイル(!)なのが燃えます。
乗らなくなってしまったギアードのバイクをお持ちであればmelvinを仕込んで味変するのもまた一興。
失った愛情を取り戻せるかもしれません。