またまたサドルの話です。

今回は「オープンレザーサドル」について。
オープンレザーサドルとは、オープンなレザーサドル。
それで、オープンとはサドルの真ん中にざっくり穴の空いたサドルのことです。

これ。
硬いイメージのあるレザーサドルですがこのオープンサドルは最初からとてもしなやかな座り心地を体感できるのが最大のメリット。
ざっくりくり抜かれている分しっかりしなってくれるお陰で通常のレザーサドルにはないやわらかさがあるのです。

あえてお伝えするとオープンサドルは通常のサドルに比べて馴染みが速いのも特徴です。
故にしっかりメンテナンスしてあげないとどんどん伸びていってしまいます。
それらを踏まえていくつか紹介していきますね。

今回はレザーサドルといえばな3社を対象にそれぞれ比較していきます。
「ブルックスサドル」「ジルベルソー」「セラアナトミカ」
対象となるのはこの3社です。

 

「ブルックスサドル」


まずはレザーサドルで真っ先にイメージされるぐらい有名どころのブルックスから。
こちらはお客様のサドルで良い感じに馴染んでます。伺うとこれといったメンテナンスはまだしていないそう。
ここで重要になってくるのは革の引っ張り具合。
前述した通りオープンサドルは馴染みが出易いです。そのまま放置せず伸びてきたらしっかり革を張ってあげましょう。

ブルックスの場合写真中央にある「ナットを時計回りに締める」事で革に張力を与えることができます。

締める時に使う工具はレザーサドルに付属してくる工具を使います。これで張りがしっかりでるまで時計回りに締めていきます。

手を使ってる感じが出ててセコイ感じになっていますが張りを与えてあげるとサドル中央の沈んでいた部分が張りを取り戻してしっかり浮いてきます。
この状態が理想です。
ですが張りすぎには注意。一度張ってしまった革は元には戻りません。

これがブルックス。
付属の工具を使ったり奥まった位置にあるナットを回すのがちょっと苦労します。

 

「ジルベルソー」

こちらはお客様のジルベルソーのオープンサドル。

こっちは縫製チームからあんちゃんの使うジルベルソーのオープンサドル。
どちらもやっぱり沈みが見受けれられます。

ジルベルソーの革の貼り方は写真中央、サドルの先端にある六角穴の開いたこのボルトを「時計回りに締めます」。

使う工具は六角レンチ。
まぁ大体の方は持ってるであろう汎用工具です。
六角レンチを突っ込んで「時計回りに締める」と徐々に革に張りが出てきます。


こんな具合に結構分かりやすく座面の中央付近の沈みがなくなります。これくらい張りましょう。
ジルベルソーの場合は誰しもが持ってるであろう汎用工具が使えるのが何といってもメリット。やり易いです。

 

「セラアナトミカ」

こちらはせっせかホイール組頑張ってるなっちゃんのセラアナトミカのサドル。
最近毎日通勤で使ってるもんだからこちらもしっかりなじんでおります。


セラアナトミカも先のジルベルソーと同じくサドル先端の下に隠れている六角穴のボルトを回すことで革の張りを調整することができます。
ただ、セラアナトミカの場合「反時計回りに回す」ことで革を張れる仕組みになっております。
ここ間違いやすいのでお気を付けください。

逆サイドから見た写真になりますがしっかりとサドル中央に張りが戻ってます。

ちなみにオープンじゃないバージョンも各社革の張りの調整方法は一緒です。
どちらもそんなに頻繁にやる必要はないですが、通常のレザーサドルと比べるとオープンサドルは最初から柔らかい分馴染みも出やすいようになってます。
育て甲斐のあるレザーサドルです、定期的なメンテナンスを忘れずに末永く極上フィットなサドルとお付き合いくださいませ。

シャミセン