BLACK MOUNTAIN CYCLES

INTERVIEW

(BL) BLACK MOUNTAIN CYCLESのフレームを、お店で扱えることに皆興奮しています。
まず、BLACK MOUNTAIN CYCLESを始めたきっかけを教えてください。BLACK MOUNTAINを始める前のMikeさんのストーリーも知りたいです。

(MV) 1993年から2007年までBMX, ATB, cruisers, Masi road bikesなどモデルのデザインやスペックを決める責任者product development managerとしてHaro Bicyclesで働いていました。
毎年毎年新しくスペック、デザインを開発して新しい物を作っていく、そんなバイクインダストリーのやり方に疲れてしまい、このインダストリーを去る事にして色々な事があった結果、自分のフレームを作り自分のお店で売る、という状況に辿り着きました。
そして、自分の好きな道を走れるバイク、Dirt RoadsやTrailsを走れるCross Bikeなど自分の乗りたいフレームをベースに気持ちよく乗れるナイスなスティールフレームを作る事を自分のゴールにしました。

(MV) 私の思う”自転車”の一番好きなところは、とてもシンプルだという事です。ただただ”楽しむ”だけの為に乗るところ、なのでStravaやGPSも一切使わないし携帯電話すら持っていません。
そして40年経ったって安心して乗れるフレームがいつも欲しいと思っています(今59歳なので40年経つと99歳なので30年でもいいです笑)
なぜ”40年”という数字にこだわったかというと、Bruce Gordonが40年前の1981年に作った、普通のロードバイクよりも大きな700x30cタイヤクリアランスを持つ”Pink Bruce Gordon road bike”を今でもよく乗っていて、40年前に作られたこのバイクでのライドをいつもとても楽しんでいるからです。
そしてこれもそのバイクの影響で、一番最初に自分でデザインしたBlack Mountain Cyclesのフレームも”タイヤクリアランス”をキーにデザインしようと決めました。一番最初に私が作ったフレームはもうすでにリタイヤしていますが700x35cがフィットするようデザインしました。今現在の代表的なモデル”Monstercross Frame”は最大50mm tiresがフィットします。大きなタイヤがフィットすればするほどライドの幅、場所、楽しみ方が増えると信じています。

(BL) 「BLACK MOUNTAIN」という名前の由来は?

(MV) ヘッドチューブのデカールのデザインにもなってる”Black Mountain”は、象さんが横たわっているように見える為別名「Elephant Mountain」とも言われる山です。お店があるPt.Reyes Stationの東側に位置していて、私のショップの窓からいつでも覗くことが出来ます。
名前を考えていた時に友達にBlack Mountainはどうかと勧められて響きがよかったのでそれに決めました。

(BL) バイクショップとオリジナルのフレーム、どちらを先に作ることを思いつきましたか?
そしてなぜ、オリジナルのバイクフレームを作ろうと思ったのですか?
フレームをデザインする時、どんなこだわりがありますか?大事なことは何ですか?

(MV) フレーム作りとショップはお互いを支えるために同時に始まりました。どちらかが欠けても成り立ちません。
HaroとMasiに居た14年間で沢山の違う形のフレームをデザイン、創作しましたがBlack Mountain Cycles framesが一から自分で初めて作ったフレームです。自分の好きな物を創作、制作出来てされにそれを他の人達にも喜んでもらえる、欲しがってもらえる、というのはとても満足の出来る事だと思います。

via:bikeradar

(BL) BLACK MOUNTAINのバイクを初めて見た時、カリフォルニアのハンドメイドバイクを見た時のような「格好いい!乗ってみたい!」という衝撃を受けました。 そしてMikeさんの過去のブログを読んでいたら、「SOULCRAFT」と「FALCONER」の二人のハンドメイドフレームビルダーの名前が出てきて納得しました。(※BLACK MOUNTAINの過去のモデルでFALCONER製 made in USAのものがあったり、現行モデルも設計にSOULCRAFTのショーンが深く関わっている。)
この二人のフレームは僕らのお店でも扱っていて、僕が憧れるフレームビルダーです。それぞれ彼らとの関係やストーリーを知りたいです。ショーンとは昔からの仲?

(MV) SOULCRAFTのショーンとはビールを一緒に飲む最高の長年の友達です。ちょうど昨日もWHITE INDUSTRIESで会っていました。(SOULCRAFTのショーンは現在フレーム制作をお休みしてWHITE INDのエンジニアとして活躍している)
もっと昔ショーンが働いていたSalsa Cyslesや80年代90年代のパーツを扱っている店でHaroで働き始める前に一緒に働いていた時があったのでもう彼とは30年の付き合いになります。

(BL) BLACK MOUNTAINのバイクはいつも色、ペイントが素敵だと思います。色は毎回どうやって決めますか?

(MV) カラーについてはいつも色々な色を探しています。Haroに居た時は多い時で150色分のフレームカラーをコーディネイトしないといけないなんて事もあり、どのオーナーがどんな色のフレームを選ぶのか考えながらやっていた楽しい作業でした。
Black Mountain cyclesのフレームカラーはいい色が揃っているビンテージの車(特に1960s VWとPorsche)を参考にする事が多いですが、時にはパントーンカラーブックをめくりながらパッと目についたバイクのフレームにピッタリだなと思う色を使う事もあります。
もしくは、全く科学的ではなくてペインターに色指定をしないといけない締め切りのデッドラインが近づいたその時のフィーリングで決まることもあります。

(BL) どのモデルにしようか迷ってしまったお客さんに、選ぶアドバイスをください。

(MV) 自分の作るバイクにはそれぞれのモデルごとに違いが出るように心がけています。
”Monster Cross”はリムブレーキ。”MCD”は650bか700c wheelsのどちらでも使えるディスクブレーキ。新作の”La Cabra”は大きなタイヤクリアランスを持つ全く違うタイプのモデルで自信作です。
買ってくれるお客さん達が”どこに乗りに行くのか”、もしかしたらその他に何か意見があるのか、何でも知りたいし聞きたいと思っています。たまに難しく考えずに一番好きな色のフレームを買うように伝える事もあります。

(BL) 最後に、日本でBLACK MOUNTAINを手に入れた自転車乗りにメッセージをください。

(MV) 日本で自分が作ったバイクが走ることについて、ブルーラグの事は友達のフレームビルダー、SOULCRAFTやRetrotec、Falconerを通じて知っていたので自然と感じています。
物事や人生はバイク作りやバイクを扱うのと同じ事です。無理やりやると壊れてしまいますが全て自然の流れに任せてやれば物事は自然に一体となって良い方向に長い間動き続けると信じています。

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