SCAPE GOAT"Scape Bot"
¥198,000 (フレーム&フォーク)
SIZE :S / M / L
COLOR : Purple / Sand
元々は生粋の冒険家Goatが行なった40000マイルを超えるオフロードツーリングの結果が生み出したバイク。Goatは冒険家の両親を持ち、great divideを裸足でツーリングする男。そんなGoatには完璧だったハイパーニッチなオフロードマシンがもう少しカジュアルに再設計されてカムバックしました。
再設計をしたのはRRobotsことNick Kuszyk。自転車フレームもハンドメイドで作っているアーティストでもあります。
CRUSTのラインナップの中では最も太いタイヤを履くことができて、最もダートでの走破性能が高いMTBツーリングフレームです。
フレームの素性はグラベルやクロス系バイクとは全然違う、フロントセンターが長く、MTBらしい安定感のあるものなので、オフロードを豪快に攻めてみたい!そんな気持ちにさせられます。
RRobots氏によるバックストーリーと解説
- Specs
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- ヘッド:1 1/8"アヘッド
- シートポスト径:31.6mm(クランプ径:35.0mm)
- フロントエンド幅:110 × 15mm thru
- リアエンド幅:148 × 12mm thru
- BB規格:JIS(73mm)
- ブレーキ:ディスク
- ホイールサイズ:26"×3.8" 〜 27.5"x3.8" 〜 29"×3"
- 素材:クロモリ
Nigo's Scape bot
しかし、よく見ると今回のscape bot中々ポップなペイントで可愛い自転車でもあります。乗り出してもうすぐ一年経ちますが今1番この自転車に抱いている印象は「早くて軽いのにタイヤは太っといモンスターマシーン」でしょうか。間違いなくオフロードに強い自転車なのですが、正直早くて軽いのでオンロードも軽快で日常使いも調子が良い自転車です。
Kaneyan's review
ロッカーエンド(リアホイールの軸を可変できるリアエンドパーツ、evasionも同じ仕様。)だったり、コラムサイズも1 1/8。
evasionのタイヤサイズを大きくした、もう少しトレイルやプレイバイクに寄せた設計にしたバイクなのかなとその時は腑に落ちた。
その後乗る機会があったんだけど、その時の印象をはっきりいうと、もう少しスリリングで遊べるバイクだと思ってたけど、なんか違う…。って思った。(その時マイブームがマウンテンバイクだったから、allcityのエレクトリッククイーンや1×1を想像して乗ったからそのイメージが強かったのかも。)
積載も出来ながら、MTBぐらいのトリッキーさを両立する設計にするのは結構難しいのかも…、距離走るならevasionの方が調子良いのかなぁ。とか思って過ごしていました。
なんだかんだ言いながら、でもクラストで気になる存在だったこのフレーム。
ふとしたタイミングで急なアナウンスが。
何やら前回とペイントの様子がおかしい…。
今回のscape goat改めscape botが入荷してまずペイントに心を持ってかれた。トバした派手な見た目だけど自分が最近好きな2000年代の香りがするデザイン。
余談だけどチューヤン君が箱から開けて「なんか形違くない⁇」ってすぐ言ってたのが思い出深い。
その通りで、後日ジオメトリ表が送られてきたらヘッドチューブが長くなってたりヘッド角が寝てたり、bbが高くなってたり結構変わってた。
組んでみて、前回と同じ感じのフィーリングかなと思っていたら絶妙に変わっている。トリッキーさが増して自分好みのフィーリングに近づいてた。
このバイクに携わった“rrobots”さんこだわりのBB位置が効いているのか、見た目とは裏腹の軽やかな操作性と、それでいながら走りやすさも安定感もツーリングするには充分といった心地良さ。
多分コレがマットさんがやりたかったevasionとの差別化ならば、コレが今んとこの大正解。
安定感のあるツーリングをしたい。→evasion
めちゃ遊んでツーリングしたい。→scape bot
そんな風に思うバイクです。
3.8inchファットタイヤが使えるフレームっていうのもポイント高い。コレは自分のブログを参照にして欲しい。
BUILT by BLUE LUG
サイズ | S | M | L |
---|---|---|---|
トップチューブレングス (ホリゾンタル換算 C - C) |
560 | 590 | 620 |
シートチューブレングス (C - T) |
430 | 470 | 520 |
ヘッドアングル | 71° | 71° | 71° |
シートチューブアングル | 72° | 72° | 72° |
スタック | 563 | 594 | 637 |
リーチ | 376 | 396 | 412 |
チェーンステー長 | 451 | 451 | 451 |
BB下がり | 58 | 58 | 58 |
スタンドオーバー | 745 | 778 | 822 |
レイク | 48 | 48 | 48 |
トレイル | 77 | 77 | 77 |
ホイールベース | 1048 | 1079 | 1110 |
タイヤクリアランス(最大) | 26"x3.8" / 27.5"x3.8" / 29"x3" | 26"x3.8" / 27.5"x3.8" / 29"x3" | 26"x3.8" / 27.5"x3.8" / 29"x3" |
約三年前、ニューヨークのアナーキストが集まるカフェでマットと高級なコーヒーを嗜んでいたところちょっとした口論になった。
その時の会話はこんな感じだった。
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俺(Bots):Nor’ eaterのBBは低すぎる。
マット:ふざけんな。あの自転車は完璧だ。んなこと言うならお前が自分でもっといいバイクのデザインをしてみろ。
俺(Bots):まずはBB高を上げるところからスタートだな。
マット:BBびーびーうっせーんだよ。BBが高えと馬に乗ってる感じがして嫌なんだよ。
…だがしかし、Scapegoatのリデザインを手伝ってくれたら助かるな。僕は君のRRobotsのアートは好きだし、君は天才でセクシーだと思っているし、CRUSTは君の才能を必要としている。(手のひら返し)
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まあ、若干盛ったところはあるけど、大体こんな感じだったかな。
俺とマットはたまにふざけて自転車のスペックについての口論ごっこみたいなことをするんだ。
そして今回のスケープゴートのリデザインのアイデアはそこから生まれた。
俺がスケープゴートに対して最初に思ったことは、Goat (Scapegoatのいかれたシグニチャー主)自身には完璧なバイクだということは間違いないだろうが、彼以外の人間で南極大陸をビーサンとシルクハットで横断する奴はまずいないと思ったんだ。
だから、このイカれてるけどイケてるハイパーニッチなバイクをもう少し”普通”にしたかったんだ (今も結局イカれてるけど)
まだまだいろんなことはあったけど、無駄話はやめてジオメトリーを見てみようか。
フロント積載時のステアリングを楽にするためにヘッドアングルを一層キツく。
ちょっとだけスタックとリーチを短くし、メインのトライアングルを大きくするためにシートチューブC-Cを長くした。
29x3のタイヤが入るようにリアエンドも長く!
そして何より…
ナイスなhigh BB。
これでペダルストライクを起こすことはなかろう。特に29x3タイヤを装備すればね。
31.6インターナルドロッパーポストルーティングと4000個のダボ穴(ジョーク)は健在で、核爆発を耐えしのぎそうなほどな肉厚チュービング。
フレームカラー:
このフレームをデザインしていた時、俺は古いパソコンを見ることにハマっていた。特にアップル製品。何故かは聞かないで。
今ではアンティークテクノロジー扱いをされてしまうスチールバイクというものを死なせないCRUSTのスタンスと古いパソコンのシンボルはなんだかマッチする気がしたんだ。
だから本当はこのバイクを「ザ・コンピューター・ワゴン」という名前に変えたかったんだけど、マットはつまんない奴だからScapegoatのままになった。
古いアップルのパソコンをたくさん見漁っていた時に、あの頃のアップル製品によくあった、グリーン/タン/ベージュみたいな絶妙な色が新しいScapegoatにピッタリだと思ったんだ。だから今回のフレームに使ったパントーンカラーはあの頃のアップル使っていたP453という色なんだ。
オフィシャルのカラーコードをインターネット上で見つけるのは難しかった。でも友人の父ちゃんが初期アップルのデザイナーだったことを思い出してメールしてみたんだ。
そしたらめちゃくちゃ長文で、可愛らしくてオヤジくさい返事をくれたんだよね。「ニューロン」やら「分光計」やら、わけのわからん事もたくさん書いてあったけど、最高のおやっさんだよね。
あ、あとパープル&ピンクフェードの方の色は冗談半分で作った色なんだ。
当初マットはこのアップルカラーを嫌がっていて、もっと明るい色がいいと言っていたんだけど、サンプルを見てP453カラーは間違っていなかったということを察していたよ。だからパープルは没にしようと思っていたんだけど、くそかっけえから結局作っちゃったんだ。最高だよね。
このプロジェクトをできて本当によかったし、光栄だった。ありがとうマット、チーチ。